カテゴリ:本の感想(や・ら・わ行の作家)
米澤穂信『ふたりの距離の概算』 ~角川文庫、2012年~ 折木奉太郎さんの所属する古典部のメンバーが活躍する、古典部シリーズ第5弾です。今回は長編です。 それでは、簡単に内容紹介と感想を。 ――― 古典部に入部を希望していた新入生が、ある日、とつぜん退部すると言い出した。その日、部室にいたのは千反田える、奉太郎、そして新入生の大日向の3人。奉太郎は読書にふけっていたので、原因は千反田にあるようで……。 退部の理由に全く思い当たらない奉太郎だが、なんとか原因を突き止め、大日向にアプローチをしようと試みる。正式な入部届の期限まで、日はわずか。 奉太郎は、神山高校の伝統的なイベント、20kmマラソンの中で、大日向と出会った日からの経緯を振り返り、関係者全員と接触することで、大日向が退部を決意するにいたった理由を見つけ出そうとする。 ――― こちらも面白かったです。20kmマラソンという限られた制約の中で、結論を出さなければならないというスリリングな要素が、まず面白いです。 物語のメインとなる謎だけでなく、他にもいわゆる日常の謎がちりばめられていて、それらの解明も楽しいです。 省エネを心がける奉太郎さんですが、少しずつ心境が変わってきているのも興味深いです。 シリーズ次作が楽しみです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2015.11.28 21:38:43
コメント(0) | コメントを書く
[本の感想(や・ら・わ行の作家)] カテゴリの最新記事
|
|