カテゴリ:本の感想(た行の作家)
高田崇史『QED 東照宮の怨』 ~講談社ノベルス、2001年~ 桑原崇さん、棚旗奈々さん、小松崎良平さんのトリオが活躍するQEDシリーズ第4弾です。 それでは、簡単に内容紹介と感想を。 ――― 薬剤師会の旅行で東照宮を訪れていた奈々は、偶然崇たちと出会う。小松原が追っている三十六歌仙絵をめぐる殺人事件の調査の関係で、崇が東照宮の見物にきていた。いわく、佐竹本の歌と、東照宮に飾られた絵巻の歌に違いがあるという。 佐竹本の絵巻は一枚一枚分断され、人の手に渡っていた。そのうちの一人は、絵が盗まれただけで済んだが、リゾート会社社長をつとめる八重垣は、無惨に殺害されたうえ、絵が盗まれていた…。 事件を追う中で、さらに八重垣に絵を売っていた花坊も、殺害された上に手足を切断されていた。 東照宮にまつわる数々の謎(なぜ三十六歌仙絵は佐竹本と違うのか、徳川家と公家の抗争とは、そして東照宮設立に寄与した天海の果たした役割は何なのか…)、そして繰り返される事件の真相とは。 ――― 今回も面白かったです。東照宮にまつわる謎の解明の、その鮮やかさ! 特に面白かったのは、関連して明らかにされる、「かごめ歌」の解釈です。私は本書以外の解釈を勉強していませんが、もうそれが正解なのでは、と思わされるくらいの説得力です。 事件の動機はなんともいえませんが、その動機を説明するうえでの崇さんのたとえ話にはすとんと納得しました。 崇さんと奈々さんの出会いのエピソードも嬉しいです。 やはり面白いシリーズです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2016.03.26 14:10:22
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