カテゴリ:本の感想(ま行の作家)
麻耶雄嵩『貴族探偵』 ~集英社文庫、2013年~ 貴族探偵シリーズ第1弾の短編集です。2017年にはドラマ化もされましたね(ドラマは観ていませんが)。 それでは、簡単に内容紹介と感想を。 ――― 「ウィーンの森の物語」社長の別荘を社員や家族が訪れてた翌朝、密室状況の中で社長が死んでいるのが発見された。前日には、社長の妻と愛人が鉢合わせトラブルになっていたが、はたして真相は。 「トリッチ・トラッチ・ポルカ」廃倉庫の中から頭部などの一部が持ち去られたバラバラ死体が見つかった。その後頭部などが発見され、容疑者も浮かんだが、容疑者にはアリバイがあった。 「こうもり」女子大生二人が高級旅館に宿泊中、有名な作家たちに出会う。そんな中、作家たちの親族の一人が殺された。しかし、関係者のほぼ全員にアリバイが成立していた。 「加速度円舞曲」編集者が険しい山道を運転中、崖から巨大な石が落ちてきた。貴族探偵と出会った彼女が、落下もとを訪れると、知り合いの作家が殺されていた。 「春の声」伯爵の娘の婿選びが行われる中、3人の婿候補たちは互いにいがみ合っていた。そしてある夜、3人全員が殺害されるという事件が起こる。 ――― 貴族探偵は一切調査も推理もせず、貴族探偵の使用人(執事の山本さん、メイドの田中さん、運転手の佐藤さん)が調査と推理をするという、面白い設定です。貴族探偵は名字すら明かされません(探偵の氏名が分からないのは、西澤保彦さんの『腕貫探偵』もそうですね)。 解説の千街晶之さんも強調されていますが、この中で一番印象深かったのは「こうもり」です。これはやられました。 続編もいずれ読んでみたいです。 ・ま行の作家一覧へ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2017.11.18 14:52:40
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