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2017.11.22
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宮松浩憲『中世、ロワール川のほとりで聖者たちと。』
~九州大学出版会、2017年~


 久留米大学名誉教授、宮松先生の新刊です。先生の著書として、このブログでは次の2冊を紹介したことがあります。
『西欧ブルジュワジーの源流―ブルグスとブルゲンシス―』九州大学出版会、1993年
『金持ちの誕生-中世ヨーロッパの人と心性-』刀水書房、2004年
 一見エッセイのようなタイトルですが、先生による聖者伝に関する解説と、いくつかの聖者伝の翻訳からなっています。構成は次の通りです。

―――

はじめに

解説
第一話 聖モリーユ
第二話 聖オバン
第三話 ヴェルトゥの聖マルタン
第四話 聖レザン
第五話 聖マンブゥフ
第六話 アルブリセルの聖ロベール
第七話 聖ジロー

おわりに

参考文献
索引
―――

 冒頭でも少しふれましたが、解説では、聖者伝の諸ジャンルの区分、中世における聖者信仰の概要など、概論が語られます。先行研究を援用し、聖者伝の中の奇跡の分類と統計が紹介されているのも興味深いです。
 個々の聖者伝についての感想は省略しますが、特に嬉しかったのは第六話です。既に杉崎泰一郎先生の研究(「遍歴説教者と中世社会―発見されたロベール・ダルブリッセルの伝記を中心に―」『上智史学』42、1997年、69-95頁など)でロベールについては紹介されていますが、その伝記のひとつを日本語で通して読めるようになったのは嬉しいです。
 再度解説の話になりますが、宮松先生自身の研究成果から、聖者伝がいかに中世社会の研究に資するかが具体的に示されています。
 出版が予定されている『セーヌ川を飲み干す―中世フランスの人名と心思―』の刊行も楽しみです。

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Last updated  2017.11.22 22:12:48
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