カテゴリ:本の感想(あ行の作家)
綾辻行人『殺人方程式―切断された死体の問題―』 ~カッパノベルス、1989年~
血なまぐさいのが苦手な刑事・明日香井叶さんと双子の兄で大学生の明日香井響さんが活躍するシリーズ第1作です。 それでは、簡単に内容紹介と感想を。
――― 新興宗教団体の女性教主、貴伝名光子が電車にひき殺された。他殺を疑わせる状況もあったが、動機を持つ夫の剛三にはアリバイがあった。 光子に代わり教主となるため、剛三は「お籠もり」の儀式に入る。教団ビルから、一歩も外に出てはならないという儀式だった。 しかし、剛三の死体が、川を挟んで向かいのビルの屋上から発見された。彼の死体からは、首と片腕が切断されていた。 発見現場のビル入り口は、別件で捜査していた公安がずっと見張っており、現場はいわば密室状況であった…。 ―――
10年以上ぶりくらいの再読ですが、あらためて刊行年を見てみると、30年近く前の1989年…。1980年代の刊行だったのですね。 さて、久々に読み返してみて、やはり面白かったです。トリックの概要は印象的だったので、覚えていましたが、伏線や話の持って行き方の巧みさをあらためて感じました。 探偵役の叶さんと響さん、そして叶さんの妻の深雪さんのキャラクターも面白く、館シリーズの雰囲気とは違った読みやすさがあります(館シリーズも、鹿谷門実さんが登場すると読みやすいですが)。 好きなシリーズなのですが、本作と第2弾の2作しか発表されていないのが残念。 次回はシリーズ第2弾を紹介しようと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2018.01.31 22:45:07
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