カテゴリ:西洋史関連(日本語書籍)
~岩波新書、2017年~ 著者の出村先生は岡山大学大学院社会文化科学研究科教授で、哲学を専門にしていらっしゃいます。 本書の主題となるアウグスティヌスについて、先生はピーター・ブラウン『アウグスティヌス伝』(教文館、2004)の翻訳もされています。 さて、本書は、西洋の偉大な神学者・哲学者であるアウグスティヌス(354-430)の生涯を、「心」に重点を置く思想を中心としながら描きます。 本書の構成は次のとおりです。 ――― はじめに 「心」の哲学者 第I章 アフリカに生まれて 第II章 遅れてきた青年 第III章 哲学と信仰と 第IV章 一致を求めて 第V章 古代の黄昏 終章 危機をくぐり抜けて
アウグスティヌス略年譜 おわりに ―――
第I章から第V章まで、アウグスティヌスの生涯を追った後、終章では、後世へのアウグスティヌスの影響が紹介されます。日本への伝播と受容も紹介されており(16世紀のキリシタン時代など)、興味深いです。 文章も読みやすく、また苦しみ悩みながら生きたアウグスティヌスに共感を覚えながら読み進められました。 良い読書体験でした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2018.03.18 13:49:41
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