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2018.03.18
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出村和彦『アウグスティヌス―「心」の哲学者―』

~岩波新書、2017年~


 著者の出村先生は岡山大学大学院社会文化科学研究科教授で、哲学を専門にしていらっしゃいます。
 本書の主題となるアウグスティヌスについて、先生はピーター・ブラウン『アウグスティヌス伝』(教文館、2004)の翻訳もされています。
 さて、本書は、西洋の偉大な神学者・哲学者であるアウグスティヌス(354-430)の生涯を、「心」に重点を置く思想を中心としながら描きます。
 本書の構成は次のとおりです。

―――

はじめに 「心」の哲学者

I章 アフリカに生まれて

II章 遅れてきた青年

III章 哲学と信仰と

IV章 一致を求めて

V章 古代の黄昏

終章 危機をくぐり抜けて


文献案内

アウグスティヌス略年譜

おわりに

―――


 偉大な神学者であり、異端への反駁も多く著しているアウグスティヌスですが、心から信仰に目覚めるのは30代のことでした。19歳で修辞学校の最上級過程に進み、キケロの著作に感銘を受けます。キリスト教徒であった母モニカの影響がことから、「キケロの論述にキリストの御名がなかったことだけが熱意を冷まさせるものだった」という一方、聖書については、「キケロの荘重さと比べてみて取るに足りないものと見えました」と感じていたようです。このエピソードが特に興味深かったです。


 第I章から第V章まで、アウグスティヌスの生涯を追った後、終章では、後世へのアウグスティヌスの影響が紹介されます。日本への伝播と受容も紹介されており(16世紀のキリシタン時代など)、興味深いです。


 文章も読みやすく、また苦しみ悩みながら生きたアウグスティヌスに共感を覚えながら読み進められました。


 良い読書体験でした。

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Last updated  2018.03.18 13:49:41
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