カテゴリ:本の感想(や・ら・わ行の作家)
~集英社文庫、2012年~
米澤穂信さんのノンシリーズの長編です。 それでは、内容紹介と感想を。
――― 菅生芳光は、家庭の事情で大学を中退し、伯父の営む古本屋の手伝いをしながら、伯父の家に居候していた。 故人の蔵書から大量の仕入れを行った後、その蔵書の中に必要な雑誌がまぎれていたので探してほしいという依頼人が現れる。彼女―北里可南子は、叶黒白という作家の残した五つの小説を全て集めてほしいという。 それらの小説は、全てリドル・ストーリー(結末のない物語)となっているが、結末の1行のみ、彼女に遺されていた。 芳光は、伯父に内緒で依頼を受け、叶の小説を探し始める。 その中で、叶黒白が、20年以上前の未解決事件「アントワープの銃声」という事件の容疑者だったことが判明してくる。 ―――
これは面白かったです。 古本屋の居候が、依頼を受けて同人誌にしか投稿していないマイナーな作家の小説を探し求める、という設定自体も面白いですし、そこに過去の未解決事件や、作家の人生などもからんでくるのも読み応えがありました。 物語の謎が魅力的なのはもちろんですが、芳光さん自身の人生や、その母親、伯父、それぞれの人生や思いにも、思いをはせながら読み進めました。 良い読書体験でした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2018.06.23 10:11:20
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