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2019.05.01
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シドニー・ラニア編(石井正之助訳)『アーサー王と円卓の騎士』

~福音館書店、1972年~

(Sydney Lanier, The Boy’s King Arthur. Sir Thomas Malory’s History of King Arthur and his Knights of the Round Table, 1917)

 

 訳者あとがきによれば、編者シドニー・ラニア(1842-1881)は、アメリカの詩人だそうです。本書は、ラニアが、15世紀後半にアーサー王物語を散文でまとめあげたトマス・マロリーの著作をもとに、少年向けの読みものとして、「物語の重要な点はあまさずに追い重複や反復はたくみに削って、膨大な作品を簡潔にまとめ」(あとがき5ページ目)た一冊です。

 本書の構成に沿って、簡単にメモしておきます。(人名表記は本書による。)

 

―――

「一 アーサー王のこと」

 ユーサー王の子は、魔術師マーリンに託され、さらにエクターのもとにはこばれ、アーサーと名づけられる。アーサーは、誰も引き抜くことのできなかった、鉄床に置かれた見事な剣(エクスキャリバー)を引き抜き、王となる。後に、王はグィネヴィアを妃として迎え、ユーサーから巨大な円卓を贈られる。

 

「二 湖水のサー・ラーンスロットのこと」

 円卓の騎士の中でも最強のラーンスロットが、自身の弟も含め64人の騎士を閉じこめている城主タークィンのもとを訪れ、城主をたおす。さらに、巨人たちをたおすなどの冒険物語。

 

「三 オークニーのサー・ゲイレスのこと」

 アーサー王のもとを訪れ、厨番として1年仕えたゲイレスが、王の許可を得て、訪れた乙女の仕える婦人を助ける旅に出かける。彼を養ったサー・ケイや、冒険の導き手となった乙女には、卑しい厨番と何度も蔑まれるが、多くの屈強な騎士を倒し、乙女にも認められる。

 

「四 サー・トリストラムのこと」

 トリスタン・イズー物語のひとつのようです。

 

「五 サー・ギャラハットとサー・パーシヴァル、および聖杯探索のこと」

 円卓の騎士たちが聖杯探索の旅に出る。中でもラーンスロットの子ギャラハットが活躍する。

 

「六 アストラットの美しい乙女のこと」

 サー・ガーウェインに嫉妬した円卓の騎士の一人が、彼の毒殺を試み、別の騎士が毒殺される。王妃グィネヴィアが催した宴の最中のことで、王妃に毒殺の疑いがかけられる。王妃を疑う騎士たちに対して、サー・ボーズは王妃の無罪を主張する立場となる。そして、王妃を疑うサー・メイドーとサー・ボーズの決闘により真実を見定めようというとき、王妃の無罪を証明するためサー・ラーンスロットが決闘の場に訪れる。

 

「七 アーサー王の死」

 サー・ガーウェインが、事故とはいえ自分の兄弟を殺したラーンスロットを憎み、王を唆してラーンスロットを宮廷から追放する。ラーンスロットを追いフランスを訪れる王やガーウェインたちだが、本国で、王の留守を任されていた男が、王を名乗り始める。本国に戻るアーサー王たちだが、王は戦いで負傷し、やがて死を迎える。

―――

 

 だいぶ雑なメモになってしまいました…。

かつて、アーサー王物語の人名や紋章を扱ったミシェル・パストゥローの論文を紹介した際(記事は​こちら​と​こちら​)、アーサー王物語はちゃんと読んだことがない、と書いていましたが、こんにちまでずるずるきていました。このたび、図書館のリサイクル市でありがたいことに本書をいただくことができたので、まずは読んでみた次第です。

 断片的な知識しかない私には、読みやすく、また訳者あとがきによれば「物語の重要な点はあまさずに追」ってくれている本書は、アーサー王物語にふれる導入としてはとても良かったと思います。

 円卓の騎士というと、アーサー王を取り巻く素晴らしい騎士たち、というイメージがありましたが、サー・ケイがたしなめられながらもゲイレスを罵り続けたり、嫉妬から仲間の騎士を毒殺したりと、みながみな清廉潔白だったというわけでもないというのが発見でした。

 

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Last updated  2019.05.01 22:07:02
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