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のぽねこ

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2019.05.29
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Jennifer Stopford, Pilgrimage Explored, York Medieval Press, 1999

 

 先史時代から現代までの巡礼について研究した論文集です。

 タイトルが訳しにくいです。巡礼の実像について追い求める研究書ということと、巡礼者が探求したということをかけていると思われますが、語学力のなさを痛感します。

 本書の構成は以下のとおりです。([ ]内はのぽねこ拙訳)

 

―――

List of Illustrations[図版一覧]

Introduction (Jennifer Stopford)[序論]

List of Contributors[執筆者一覧]

List of Abbreviations[略号一覧]

 

1. Pilgrimage in Prehistoric Britain? (Richard Bradley)[先史時代ブリテンにおける巡礼?]

2. Were there Christian Pilgrims before Contantine? (E. D. Hunt)[コンスタンティヌス以前にキリスト教徒の巡礼者はいたのか]

3. Sacred Journeying: Women’s Correspondence and Pilgrimage in the Fourth and Eighth Centuries (Julie Ann Smith)[聖なる旅:4世紀と8世紀における女性の書簡と巡礼]

4. Patrons, Pilgrims and the Cult of Saints in the Medieval Kingdom of Leon (Simon Barton)[中世レオン王国における守護聖人、巡礼、聖人崇敬]

5. Jacques de Vitry and the Ideologie of Pilgrimage (Debra J. Birch)[ジャック・ド・ヴィトリと巡礼のイデオロギー]

6. The Medieval Experience at the Shrine (Ben Nilson)[聖堂での中世における経験]

7. The Perils, or Otherwise, of Maritime Pilgrimage to Santiago de Compostela in the Fifteenth Century (Wendy R. Childs)[15世紀におけるサンティアゴ・デ・コンポステラへの海路での巡礼の危険、あるいはその他]

8. Pilgrimage and the Cult of St Katherine of Alexandria in Late Medieval England (Katherine J. Lewis)[後期中世イングランドにおける巡礼とアレクサンドリアのカテリーナ崇敬]

9. Lifting the Veil on Pilgrim Badges (A. M. Koldeweij)[巡礼者バッジのヴェールをはぐ]

10. Pilgrimage to Walsingham and the Re-invention of the Middle Ages (Simon Coleman and John Elsner)[ウォルシンガムへの巡礼と中世の再発明]

―――

 

 一部必要があって入手。現時点でほとんどの論考は読めていませんが、序論をもとにメモしておきます。

 第1章は、およそ5000年前のブリテンを対象に、歴史学的に確認される巡礼慣行と考古学の成果を比較する論考。


 第2章は、2~3世紀のキリスト教徒の巡礼への聖書の影響を強調しているそうです。


 第3章は、女性巡礼者の書簡をはじめて資料として研究し、巡礼に行き故郷に戻ってきた女性と、巡礼先にとどまる女性を区分するという、興味深い研究のようです。


 第4章は、スペインでの説教活動の成功を論じているそうです。


 第5章は、著名な説教師ジャック・ド・ヴィトリによる2つの「巡礼者への説教」を分析し、巡礼がもつ悔悛の機能を強調するとともに、各々が異なる対象(片方は巡礼者、片方は聖職者)を想定していたことを指摘します。


 第6章は、巡礼者が巡礼先の聖堂を見ることが制限されていたこともあったことを指摘するそうです。これも面白そうですね。


 第7章は、スペインとイングランドを結ぶ海路は、一般の人々にとってもポピュラーなものであったこを示すそうです。


 第8章は、聖カタリーナ信仰と、低身分の女性によるカタリーナ教会への巡礼の関係を示す論考とのこと。


 第9章は、中世後期の巡礼者バッジに関する研究動向を概観した後、宗教的なバッジと世俗的なバッジを別個に考察することを批判します。鉛などの金属製のバッジが、金属探知機によって多く発見されたという点からは、​森本芳樹『比較史の道』​で紹介されていた古銭学の成果を連想しました。


 第10章は1930年代を対象に、中世世界についての現代的な認識が、聖堂建立に大きな役割を果たしたことを示す論考だそうです。

 

 今回は時間の都合もあり、取り急ぎ序論の記述をもとにメモしましたが、面白そうな論考も多く、いくつかはまたきちんと読んでみたいです。

 

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Last updated  2019.05.29 22:17:26
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