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2019.07.03
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亀長洋子『イタリアの中世都市』

~山川出版社、2011年~

 

 著者の亀長先生は、現在、学習院大学文学部教授。主著に『中世ジェノヴァ商人の「家」―アルベルゴ・都市・商業活動―』刀水書房、2001年(私は未見)があります。

 本書は、山川出版社の世界史リブレットの1冊。中世イタリアの都市の流れや性格が、簡明に描かれていて有用な一冊です。

 本書の構成は次のとおりです。

 

―――

中世イタリア都市の魅力

1 コムーネの登場

2 公平性の原理と諸制度の展開

3 中世都市の財政と市民生活

4 都市の向こうの中世イタリア都市民

 

制度から見るイタリア都市年表

参考文献

―――

 

以下、章の流れに沿って簡単にメモしておきます。

1では、フィレンツェ、ヴェネツィア、ジェノヴァの成立の略史を見たのち、コムーネ(自治的性格をもつ都市)の性格、そこでの支配層や裁判組織などについての概要が示されます。各コムーネごとに多様な成立の背景があることが分かるとともに、「当時の人びとが納得できる範囲での規制の枠組みを考え、当時なりの理性を社会に示し、コムーネは治安維持組織としての存在意義を高めていく」(21)という指摘を興味深く読みました。


 2では、まず色んなコムーネで全市民集会が行われていたことが紹介されます。その後、複雑な抽選システム、政治的追放システム、単独支配者としてのポデスタ制とシニョリーア制などについて論じられます。面白かったのは、政治的追放を経験した者の妻が、色んな人脈を頼りながら、早期の回復を図ろうとしていたというエピソードの紹介です。


 3では、都市の経済面を論じます。前半では諸史料(課税のための固定資産評価、不動産課税台帳、カタストと呼ばれる資産調査とそれにもとづく課税)とそれにより描かれる財政と市民生活の様相が描かれ、後半では公債システムについて紹介されます。


 4は、主に商人の活動を取り上げます。商業システムの発展、簿記の発明、郵便システムの登場などのシステム面や、海外領土での活動などが描かれ、こちらも興味深く読みました。

 

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Last updated  2019.07.04 23:02:53
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