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2020.01.12
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サー・トマス・マロリー作 W・キャクストン編(厨川文夫・圭子編訳)『アーサー王の死(中世文学全集I)』

~ちくま文庫、1986年~

 

 15世紀後半、無頼の騎士トマス・マロリーがまとめあげ、イギリス初の印刷業者であるキャクストンが出版した『アーサー王の死』の編訳です。マロリーの序文によれば、本作は全部で21巻、507章からなります。この編訳書では、聖杯の探求に関する巻や、トリストラム(トリスタン)が主人公の巻などが省略されており、アーサー王の誕生・即位、ローマとの戦い、円卓の騎士の中でも最も強いとされるラーンスロットに焦点を当てた物語、そしてアーサー王の死に至る物語が中心となっています。

 具体的な構成は次のとおりです。

 

―――

序文

アーサー王の誕生と即位

ローマ皇帝ルーシヤスを征服

ラーンスロット卿とガラハッド卿

ラーンスロット卿の狂気

ラーンスロット卿と王妃

グウィネヴィア王妃とラーンスロット卿

最後の戦い

アーサー王の死

 

解説 マロリーとアーサー王物語

―――

 

 ラーンスロットは王妃グウィネヴィアに恋いこがれるのですが、別の女性に慕われ、魔法で(自分は王妃と信じていたのに)別の女性と関係をもち、後に聖杯探求で活躍するガラハッドが生まれたり、王妃の嫉妬により罵られて狂気に陥ったり、とはいえ王妃が別の騎士の策略で裁判にかけられたときには全力で助けたりと、二人の関係性が面白かったです。どっちもどっちというか…。

 西洋中世史を勉強していながら、アーサー王物語にはあまりふれたことがなく、最近​シドニー・ラニア編(石井正之助訳)『アーサー王と円卓の騎士』(福音館書店、1972年)​を読んだ程度なので、あらためて本書で物語にふれられて良かったです。(だいぶ前に購入していたものの読めていなかったので、この度通読できたのも個人的には良かったです。)

 

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Last updated  2020.01.12 23:39:02
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