1379252 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

のぽねこミステリ館

PR

Profile


のぽねこ

Calendar

2020.02.05
XML


青崎有吾『風ヶ丘五十円玉祭りの謎』

~創元推理文庫、2017年~

 

 学校の部室に住み着く駄目人間・裏染天馬さんが活躍するシリーズ第3弾。今回は日常の謎をテーマにした短編集で、5つの短編に加えておまけも収録されています。

 時期的には、第一弾​『体育館の殺人』​直後から、最新刊にあたる長編第3作(作品としては第4弾)の『図書館の殺人』発生中までの物語になります。

 それでは、簡単にそれぞれの内容紹介と感想を。

 

―――

「もう一色選べる丼」食器を返却しなければ持ち出し禁止―食堂から厳しいお達しがでたにもかかわらず、食堂近くの雑草だらけの地面に、半分近く食べ残しのあるどんぶりが置かれていた。怒り狂う食堂のスタッフだが、犯人を見つけたら食券がもらえると聞き、裏染は推理を始める。果たしてわずかな手がかりから犯人を探せるのか。

「風ヶ丘五十円玉祭りの謎」袴田柚乃が兄とともに神社でのお祭りに参加したところ、裏染兄妹たちと遭遇。屋台で買い物した彼らは、なぜか五十円玉でおつりを渡された。参加している屋台の多くが、主催者の一人の言葉によって、五十円玉でおつりを出しているという。はたして、その目的とは。


「針宮理恵子のサードインパクト」問題児と見られている針宮に、一学年下の彼氏ができた。吹奏楽部に所属している彼だが、買い物に行かされたり、その間に部室にカギがかけられたりと、どうもいじめられているように見える。怒りに燃える針宮だが…。


「天使たちの残暑見舞い」演劇部に残されていた卒業生のノートに、奇妙な出来事が書かれていた。教室の窓際に、二人の女子生徒が抱き合っていた。10分ほどの後、誰も教室から出ていないはずなのに、その教室をもう一度見てみると今度は誰もいなかった。はて、彼が見たのはなんだのか。


「その花瓶にご注意を」規律が厳しい緋天学園で、カラフルな花瓶が割れるという事件が起こった。近くにいた裏染鏡華と仙堂姫毬は、しかし割れる音を聞いていない。はたして、誰がどのように花瓶を割ったのか。


「おまけ 世界一居心地の悪いサウナ」一人の少年が、サウナにいると、最も会いたくない人物と出会ってしまう。

―――

 

 これは面白かったです。冒頭の「もう一色選べる丼」は、わずか30分の間に、残されたどんぶりとトレイというわずかな手がかりから、犯人像と動機まで解明され、わくわくしながら読みました。

 第二話の表題作も見事。五十円玉については創元推理文庫から競作も出ていて(これは若月七海さん提出のリドルストーリーに推理作家たちが解決を提示するというもので、青崎さんは書いていませんが)、そちらも気になっていましたが、本作は「なぜおつりが五十円玉なのか」という謎。謎の提示も解決も面白いです。競作の方もいずれ挑戦してみたくなります。


 第三話も好みでしたし、第四話の密室からの消失も面白いです。


 第五話は、裏染天馬さんではなく、妹の裏染鏡華さんが仙堂姫毬さん(あの仙堂警部の娘さん)とともに事件を解決します。


 と、どの話も楽しく読みました。裏染シリーズの、長編の手に汗握る解決編も大好きですが、短編集もとても面白いです。

 

・あ行の作家一覧へ







Last updated  2020.02.05 23:18:30
コメント(0) | コメントを書く
[本の感想(あ行の作家)] カテゴリの最新記事


Keyword Search

▼キーワード検索

Favorite Blog

『青春の門 第八部 … yasukun0402さん

My favorites♪ torezuさん
姫君~家族 初月1467さん
偏った書評ブログ mnmn131313mnmnさん

Comments

 のぽねこ@ シモンさんへ コメントありがとうございます。 記事に…
 シモン@ Re:西洋中世学会『西洋中世研究』11(05/23) コロナ禍で、投稿がご無沙汰になってしま…

Copyright (c) 1997-2020 Rakuten, Inc. All Rights Reserved.