カテゴリ:本の感想(あ行の作家)
~祥伝社文庫、2016年~
浦賀和宏さんの、ノンシリーズの長編です。 それでは、簡単に内容紹介と感想を。
――― 昭和24年。ヤクザあがりでカタギの社長となった父への反発心もあり、プロレタリア文学を愛好する洋子は、同じくプロレタリア文学を好む青年たちの集まりに顔を出すようになる。そのリーダー格、佐久間に好意を抱き始め、半ば公認の仲となってきたころ、事件は起こる。サークルのメンバー2人が殺され、佐久間が失踪したのだった。 その後、洋子は、同じく佐久間に好意を寄せていた友人から、佐久間からの伝言を聞く。彼のふるさと、青森に行き、家族にかくまってもらってほしいというのだった。 しかし、佐久間のふるさとの村は非常に閉鎖的で、みな何かを洋子に隠しているようだった。佐久間が飼っていたとおぼしき猫がいるのに、誰も佐久間は村にいないという。果たしてそれは本当なのか…。 ―――
そこから、洋子さんは悲惨な事件に巻き込まれていきます。謎解きのカタルシスというよりも、サスペンス重視の作品です。 なんとも救いのない物語ですが、先が気になってどんどん読み進められる作品でした。 (2019.11.05読了)
※本日(2020.3.7)、浦賀和宏さんの訃報に接しました。最近の桑原銀次郎さんも好みですが、デビュー作からの安藤直樹シリーズも好きでした(特に『透明人間』は大好きな作品の一つです)。ご冥福をお祈りします。
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のぽねこさんへ
ご無沙汰しております。 最近、ようやく読書もぼちぼちですが再開しました。ブログもゆっくりしたペースになるとは思いますが更新していきたいと思います。 浦賀さんの悲報、知りませんでした。まだお若いのに残念でなりません。ショックです。安藤直樹シリーズの新作を読むことは叶わないのですね。ご冥福をお祈りします。 (2020.03.10 00:16:20)
コメントありがとうございます。
大変ご無沙汰しております。 おっしゃるとおり、まだお若いのに、と朝刊で訃報欄を目にしたときはショックでした。 まだ何冊か読めていない浦賀さんの作品もあるので、また読んでいきたいです。 (2020.03.13 23:38:58) |
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