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のぽねこミステリ館

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2020.08.09
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北村薫『冬のオペラ』

~C・NOVELS(中央公論社)、1996年~

 

 北村薫さんによる、名探偵・巫(かんなぎ)弓彦さんとその記録者・姫宮あゆみさんが活躍する中編集です。3編の中編が収録されています。

 それでは、簡単に内容紹介と感想を。

 

―――

「三角の水」最新の研究成果が企業に売られている…。疑惑の渦中にあった研究室で、ぼや騒ぎが発生。問題となった書類が燃やされていた。研究室でたばこを吸っていた大学院生が犯人扱いされたが、彼女は犯行を否定。あゆみが話を聞いたところから、巫が事件解決に乗り出す。

 

「蘭と韋駄天」珍しい蘭を手にした女が、ライバルに蘭を盗まれたと主張する。疑いをかけられた女は、椿さんと過ごしていたことでアリバイを主張する。あゆみが椿さんの話を聞き、巫に声をかけると、彼は自らを鬼をつかまえた韋駄天になぞらえ、事件解決を約束する。

 

「冬のオペラ」京都旅行に訪れたあゆみは、椿さんに再開する。しかし、椿さんがつとめる大学で、殺人事件が発生。現場の研究室の窓は開かれ、ザイルが垂れ下がっていた。地面には、点々と被害者の衣服が落ちていた。入り口は、常に人の目があり、一種の密室状態だった。

―――

 

 おそらく10年以上ぶりの再読です。例によって全く内容は覚えていませんでしたので、謎解きも楽しめました。

 巫さんはあるとき自分が名探偵だと気づき名探偵になりますが、シャーロック・ホームズではあるまいし、名探偵が扱うような事件はなかなかなく、アルバイトをして生計をたてています。文筆業に関心もあったあゆみさんが、彼の生き方に関心をもち(というよりも少し独特の感情ですが)、記録者を志願するところから、物語がはじまります。

 名探偵という存在をパロディ化しているようですが、巫さんはいたってしっかりした感じの方ですし、事件も即座に、論理的に解決するのは鮮やかです。

 最初の2編は日常の謎ですが、特に第一話は少し後味が悪いです。そして第三話の殺人事件の真相もつらいものがあります。

 とはいえ、上質のミステリを楽しめました。

(2020.05.08読了)

 

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Last updated  2020.08.09 23:15:54
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