乾くるみ『リピート』
~文春文庫、2007年~
タロウ・シリーズの1冊。
10ヶ月前の自分に戻れる不思議な世界観の中で、しかし鮮やかな謎の解明がなされるミステリーです。
それでは、簡単に内容紹介と感想を。
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僕―毛利圭介のもとに、地震を予告する電話がかかってくる。そして、その予言は的中。後日、僕は風間と名乗る電話の相手に、「リピート」のゲストとして招かれる。
ゲストは9名。風間を含め10名で、10ヶ月前の自分に戻るという。
リピートした世界では、元の世界では起こらなかったはずの事件が起こり、ゲストたちが次々と謎の死をとげていく。
僕は天童たちとともに、事件の解明を目指すが…。
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SF風の世界観と、その設定を見事に活かした作品です。
文庫で約500ページと、やや長めの作品ですが、リピート前の緊迫感や、リピート後の複数の事件の謎と、飽きずにわくわくしながら読み進められました。
タイムトラベルを扱った数々のSFやミステリーを紹介する大森望さんの解説も、興味深く読みました。
(2020.07.17読了)
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