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筒井康隆『新日本探偵社報告書控』 ~集英社文庫、1991年~ 筒井康隆さんによる小説。 企業の信用調査、雇用調査、男女関係、思想信条などの調査を請け負う新日本探偵社が舞台です。 所長の辰巳さんの視点で、過去に探偵として雇っていた調査員たちの性格ややりとりなどを振り返りながら、彼らが(そして辰巳さん自身が)手がけた案件の報告書が紹介される、という手法です。 報告書のかな部分がカタカナなのでなかなか読み進めにくいですが、いろんな企業や個人の様子があぶりだされ、また依頼主のために企業や個人の評価がなされるあたり、興味深く読みました。 タイトルに「探偵社」とありますが、いわゆる推理小説とは全く異なります。辰巳さんの視点と探偵社報告書から、「戦後」の日本の一側面が描かれた作品、といった印象の作品です。
(2022.02.06読了)
多田克己『百鬼解読―妖怪の正体とは?』 2024.04.13
高田崇史『QED 神鹿の棺』 2022.12.24
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