のぽねこミステリ館

2023/07/29(土)12:38

横溝正史『金田一耕助の新冒険』

本の感想(や・ら・わ行の作家)(152)

​​ 横溝正史『金田一耕助の新冒険』 ~光文社文庫、2002年~  金田一耕助シリーズの長中編の原型作品を集めた作品集の第二弾。  前回紹介した​『金田一耕助の帰還』​同様、すでに角川文庫版の内容は紹介していますので(大幅な改稿はありますが)、本書収録作品の内容については、角川文庫版の紹介記事へのリンクをはっておきます。 ――― 「悪魔の降誕祭」→​『悪魔の降誕祭』​所収「悪魔の降誕祭」 「死神の矢」→​『死神の矢』​所収「死神の矢」 「霧の別荘」→​『悪魔の降誕祭』​所収「霧の山荘」 「百唇譜」→​『悪魔の百唇譜』​ 「青蜥蜴」→​『夜の黒豹』​ 「魔女の暦」→​『魔女の暦』​所収「魔女の暦」 「ハートのクイン」→​『スペードの女王』​ 作品解説(浜田知明) 金田一耕助登場作品リスト 解説(日下三蔵) ―――  浜田氏の明解な作品解説により、たとえば「百唇譜」は原型版と長編版では犯人も異なっていて全く別のストーリーになっていることが指摘されていたり、「ハートのクイン」はハートからスペードに代わっていたりと、改稿の様子がうかがえます。  本書では、少年ものを除く金田一さん登場作品が、執筆順に(本書と『金田一耕助の帰還』所収の原型版も含めて)整理されていて、とても便利です。  日下氏による解説では、原型版短編集出版の背景も語られていて、こちらも興味深く読みました。  あらためて、金田一耕助シリーズの面白さを再確認できる作品集です。(2023.03.12読了)​・や・ら・わ行の作家一覧へ

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