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2025.06.21
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京極夏彦『遠巷説百物語』
~角川書店、2021年~


 「巷説百物語」シリーズ第6弾。
 ​『前巷説百物語』​などで活躍した長耳の仲蔵さん、​『西巷説百物語』​で活躍した献残屋にして、またの二つ名を亡者の柳次さんのお二人が主に仕掛けを施す物語です。
 舞台は盛岡藩の遠野。物語は、主に城主南部義晋に命を受けて巷のはなしを聞きつける浪人、宇夫方祥五郎さんの視点で進みます。
 それでは、簡単に内容紹介と感想を。

―――
「歯黒べったり」南部家御用達の御菓子司から座敷童が出て行ったという噂が流れていたその頃、山で歯が真っ黒でのっぺらぼうの女性が目撃されるという噂も広まっていた。勘定吟味改役の大久保平十郎も、その女を退治し損ねたと噂されていて…。
「磯撫」遠野の米は豊作だったが、なぜかある一人の男が一手に取り扱うというお触れが出され、米商人や漁師たちの怒りは爆発寸前だった。その頃、巨大な魚が川を上るという噂も流れていた。町奉行是川五郎左衛門は、米問題に大いに頭を悩ましていたが…。
「波山」鳳凰屋周辺で、上半身が焼かれた遺体が発見されるという事件が複数発生していた。事件の頃には、ばさばさという音がしていたという。町廻役同心の高柳剣十郎は、事件が怪異のしわざの場合に備えてと、鉄砲をあてがわれていたが、全く理屈が理解できずにいて…。
「鬼熊」夜中に、行列になって歩く雪女を見たと震える男を介抱することになった医者の田荘洪庵。一方、その頃、巨大な熊が出没しているという噂が流れていて…。
「恙虫」勘定方全戸が閉鎖された。中では複数の男が不審死を遂げ、間もなく感染病と判断された。ついには、勘定方全戸を焼き払うという暴挙がなされようという流れになるが…。
「出世螺」前の事件の仇討ちを仲蔵たちに依頼した祥五郎。一方その頃、祥五郎にはなしを売っていた乙蔵は、金塊を掘り出すことに成功していた。しかし、乙蔵を狙う複数の勢力に、祥五郎も襲われてしまい…。
―――

 
シリーズの中では、仲蔵さん、柳次さんの2人以外がほぼ登場しないということで、『西巷説百物語』同様、読み始めるまではうまくなじめるか不安でしたが、こちらも杞憂に終わりました。
 まず主人公の祥五郎さんの人柄が素敵です。
 仲蔵さんたちの仕掛けも、優しさがあって好みでした。
 過去の作品とのリンクや、大物(の敵)も現れ、次作にして最終作『了巷説百物語』も楽しみになる1冊です。

(2025.04.29読了)

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Last updated  2025.06.21 17:17:02
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