フェーヴル(田辺裕訳)『大地と人類の進化―歴史への地理学的序論―(下)』
~岩波文庫、1972年~
(Lucien Febvre, La terre et l’évolution humaine, 1922)
以前紹介した『大地と人類の進化―歴史への地理学的序論―(上)』に続く下巻です。
本書の構成は次のとおりです。
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第3編 可能性と生活様式
第1章 拠点、山地と平野と高原
第2章 小さな自然的区画、島嶼的単位
第3章 生活様式の概念。狩猟民と漁撈民
第4章 牧畜民と農耕民、非定住民と定住民
第4編 政治的集団と人類集団
第1章 国境の問題と国家の自然的地域
第2章 交通、交通路
第3章 都市
結論 現在の任務。生物学的方法、地理学的方法
参考文献目録
訳者あとがき
索引
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上巻、とりわけその第1編が、地理学や社会学に関する理論的考察の色合いが強かったのに対して、同書第2編からより具体的な議論に移っていますが、本書はより具体的な地理と人類の関係を論じていきます。
読了からメモまでに時間がかかってしまったこと、また私の力量から、とても十分な紹介はできませんが、まず全体的な概要をメモしておくと、本書を通じてフェーヴルが強調することは、地理的影響の決定力を重視するのではなく、同様の地理的状況にあっても人類の生活形態は異なること、つまり人類の営みのあり方、であるように思われます。
その具体的な諸相は、上にあげた構成の流れで論じられます。島嶼的単位に関する第3編第2章や、牧畜民と狩猟民を完全に別個ととらえるのではなく、それぞれが状況に応じてどちらの活動もしうるという第3編第4章などを興味深く読んだのを覚えています。
巻末参考文献目録は、原著が掲げる237の文献と、参考としてその書名の邦訳が掲げられています。原著は今から100年以上前の刊行ですから、いまではなかなか参照しづらい、あるいはアップデートが必要な情報もあろうかと思いますが、本書が刊行された際は、索引とあいまって、非常に有用な著作だったろうと思います。とても丁寧なつくりの文献です。
訳者あとがきは、上巻と下巻の訳者が異なる経緯などが語られていて、こちらも興味深く読みました。
本論自体の紹介は十分にはできませんでしたが、有名な著作を曲がりなりにも通読できたのは貴重な体験になりました。
(2025.12.20読了)
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