村上重良『世界の宗教―世界史・日本史の理解に―』
~岩波ジュニア新書、1980年~
著者の村上重良先生(1928-1991)は宗教学者で、岩波ジュニア新書からは本書のほかに『日本の宗教』という著書も刊行されているようです。
まず、本書の構成は以下のとおりです。
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この本の読み方
I 宗教のはじまり
II 古代の宗教
III 仏教
IV 儒教と道教
V キリスト教
VI イスラム教
むすび・現代社会と宗教
世界のおもな宗教の信者数
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アニミズムから世界の様々な宗教まで、幅広く、また簡潔にして要領を得た叙述で概観する良書だと感じました。
第1章では、アニミズムなど自然に生まれた宗教としての「自然宗教」(その他、原始宗教や民族宗教とも)と、教えを開いた人がいて、布教により広がる「創唱宗教」(世界宗教)の別はあらためて勉強になりました(5-6頁)。
第2章では、ゾロアスター教、ギリシア・ローマ神話、古代アメリカ文明の宗教など、幅広く古代の宗教を概観します。
第3章は仏教の創始と伝播がメインですが、ジャイナ教やヒンドゥー教にもふれています。
第4章は朱子学や陽明学、日本への影響も論じます。
第5章はユダヤ教からはじまり、初期キリスト教、東西分裂、プロテスタントはもちろん、修道院にも簡潔ですが言及があります。3~4章同様、日本への影響も述べられます。
第6章はイスラームの概観。
むすびでは現代の宗教の世界分布の概観や、新興宗教についてもふれられます。
私が学んでいた頃の高校世界史で勉強したような事項・人名が取り上げられていて、副題にあるように世界史・日本史を宗教の観点から概観するにも便利です。
40年以上の前の書籍ですので、研究の進展によりアップデートが必要な部分もあると思われますが、「ジュニア新書」ということで「です・ます体」で大変読みやすく、内容的にも非常に勉強になる1冊です。
(2026.02.17読了)
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