銀色夏生『流星の人』
~角川文庫、1994年~
主に植物を中心とした風景写真と、「ひとつの長い詩か、あるいは手紙のようなもの」(85頁)といった作品です。
表紙とタイトルの美しさだけで味わい深い1冊。実際、本書の着想は表紙の写真にあったそうです。
詩自体は、一人称や場面が急にかわるなどやや難解ですが、しかしそれは「流星の人」があちこちに偏在していることとも関係があるのでしょう。
特に印象的だったのは、ひもでつながって身動きがとれなくなっている人のひもを切るのが仕事だという私の言葉(72-73頁)です。せっかくひもを切っても、いつの間にかその人は別のひもにしばられてしまう、といいます。「認識と選択と納得がいかないと人は変われないものなのよね」(74頁)という言葉は深いと感じました。
30年近く前に知人に紹介されて読んで以来で、あの頃とはまた別の感慨がありました。
(2026.03.20再読)
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