2020.08.15

北村薫『街の灯』

北村薫『街の灯』

~文藝春秋、2003年~

 

 文藝春秋の「本格ミステリ・マスターズ」の一冊として刊行された中編集です。

 あらためて帯の説明を見てみると、北村薫さんご自身も編纂委員でいらっしゃったようですね。

 本書は、昭和7年という時代設定で、ある上流家庭の令嬢―花村英子さんが主人公です。彼女の家にやってきた女性運転手、別宮に、英子さんは『虚栄の市』の登場人物の名前からベッキーさんとあだ名をつけます。

 ベッキーさんと出会ってから、英子さんは色々なことに気づくようになります。

 それでは簡単に、収録された3編の中編の内容紹介と感想を。

 

―――

「虚栄の市」「奇怪、自らを埋葬せる男」という新聞見出しで紹介された事件に興味を抱く英子さんは、ベッキーさんとともに事件の関係者が住んでいたアパートについて調べます。ベッキーさんからの何気ない助言からたどりついた真相とは。

 

「銀座八丁」時計台を見に行った英子さんとお兄さんですが、お兄さんは友人からクイズを出されます。少しずつ、何の関係もなさそうな品物が送ってこられ、それらの共通点が指し示す場所に、特定の日時に来るように、というのですが…。

 

「街の灯」軽井沢で休暇を楽しんでいた英子さんたちですが、知人の家の映画上映会に招待された中で、映画に異変が起きます。直後、会場にいた女性がショックのためか絶命していることが確認され…。

―――

 

 おそらく刊行当初頃に読んでいるはずなので、もう約20年ぶりくらいの再読ということになります。

 例によって全く覚えていませんでしたので、謎解きも含め、新鮮な気持ちで楽しめました。

 身分違いの令嬢である英子さんに、ベッキーさんが言うべきことは言うあたり、印象的でした。

 また、ベッキーさんの優れた身体能力など、手に汗握るシーンもいくつかあり、昭和7年という時代の雰囲気もあわせて、楽しく読み進めました。

2020.05.25読了)

 

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Last updated  2020.08.15 23:04:18
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