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カテゴリ:最近読んだ本
何年かぶりに、というよりも十数年ぶりに、團伊玖磨氏の『パイプのけむり』を読みました。 前に読んだのは中学か高校のときでしょうか。 当時も面白かった記憶があるのですが、改めて読んでもやっぱり面白いですね。 なにが良いかというと、團さんの文章は美しいのです。 旅のエピソードに絞った選集だったのですが、情景が目の前にすぐ浮かんでくるようで。 私もヨーロッパはいろいろ旅しましたが、パイプのけむりを読むとまたイタリアとかに行きたくなってしまいました。 なんだか見逃したものがたくさんあるような気がするんですよね。 鋭い観察眼と、美しい文章で書かれたエッセイは、最近よく見るお手軽なエッセイとも、さらにお手軽なブログともまったく違って。 こんな情景が浮かぶ文章を書いてみたいなぁ、と思ってしまいました。 60年代とか70年代とか、いまほど海外旅行が一般化していなかった時代、團さんのエッセイを読んで外国の情景にあこがれた人がどれだけいたでしょうか? 上質のエッセイは、映像よりも描写力も説得力があるものですね。 この選集にはパリは短めのエピソードでしか登場しなかったのですが、團さんの目にはパリはどう映っていたのでしょうか? パリについてのエピソードを探してみたいな。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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