通貨安のイス取りゲームが始まった
○15年ぶりとなる円高、ドル84円台まで円高が進みました。○「円安一服」で下げ止まりはしたものの、東京株式市場は5日続落です。日経平均は5日続落で終値は9,212.6円でした。円高を嫌気して一時9,100円割れまで下げましたが、円高一服のあと盛り返して前日比80円安でとどまったという感じです。9,100円ラインが強力な抵抗線・・・なぐさめでしかないですね。東証一部の出来高が19億株弱と膨らんでいますので、相当な「投売り」が出たものと推測されます。なにせ、年初来安値を更新した銘柄が435と今年最高を記録しましたからね。「なんにもしない」菅内閣も、さすがに「過度の円高には重大な関心をもって注視する」とのコメントを出しました。(「注視」するだけで「介入」はしません)日米株価の差は、政策スタンスの差下げたとはいえアメリカの株価は、日本に比べまだまだ高い水準を維持しています。ソブリンリスクで騒がれた欧州でさえ、株価は回復しています。日本だけが急激な円高と異常な(企業業績の好調さとは対照的に)株安に陥っています。何が違うのか?それは、政策の差です。アメリカは、オバマ大統領自身が景気刺激策の継続に加えて、「輸出の増大による財政再建」(実態は厳しいが)を明言し「ドル安」歓迎姿勢を示しています。また中央銀行であるFRBが「金融の量的緩和」に踏み込みました。(日本の失われた10年の経験は、量的緩和は経済回復になんの効果もないことを証明したものの)日本は、政府が「財政再建」でさいふのヒモを締めており、日銀も「無策」を表明しました。景気回復はまだ途上にあります。企業業績は回復してきたものの積極姿勢(設備投資)には踏み切れない状態にとどまっています。ここでブレーキを踏めば、これまでの財政支出はムダ金になってしまいます。金融緩和でなくさらなる財政出動を!円高を乗り切れるだけの「財政政策」こそが求められているのです。もっとも、引き算で「円買い」となっているわけで、円(日本経済)が決して強いわけではありませんから、この円高もオーバーシュートであると思います。注目すべきは、先進国各国の間に、自国通貨安の「イス取りゲーム」が始まったということです。これが、通貨切下げ競争につながり、深刻な「協調の綻び」を招くことが懸念されます。政府の無策により円だけが「通貨安」競争から取り残されて「円の独歩高」を招いているのです。さて、本日のトレードです。#1819太平工業は、+3円の310円 -35,000円#4005住友化学は、-9円の370円 -66,000円#5002昭和シェルは、-4円の629円 -36,400円#7203トヨタは、+10円の3,030円 -53,000円#7867タカラトミーは、-3円の651円 -87,600円#7956ピジョンは、+30円の3,120円 -37,000円#8070東京産業は -7円の252円 -21,000円#9030アートは -4円の1,385円 +15,000円8銘柄合計で含み損はさらに拡大して321,000円です。”危険水域”に沈んでいます。それでは、また明日。。。