Play List (Up to September 28th, 2008)
Donna Summer: Love to Love You BabyKate Bush: Lion Heart, The Kick InsideRadiohead: OK Computer, Kid AJoni Mitchel: BlueXTC: English SettlementVan Der Generator: Pawn HeartAlice Visconti: Cosa Resta...Un FiorePorcupine Tree: RecordingsD.F.A. : 4th3 (Three): The End is BegunLe Orme: Uomo Di PezzaKENSO: 夢の丘, 76/77King Crimson: The Great Deceiver I&II, Epitaph Vol.I&II, Starless and Bible BlackYES: Close to the Edge, Relayer, Tales of Topographic Oceans,Roxy Music: VivaLaura Nyro: Season of LightsMary Hopkin: Mary HopkinHatfields and the North: Lotter's ClubNo-Man: Schoolyard GhostsLed Zeppelin: Mothership, 2nd (Remastering)Tangerine Dream: RubyconGenesis: The Lamb Lies Down On Broadway, Trick of the Tail, Wind and WutheringGustav Holst: The PlanetsJethro Tull: Too Old To Rock'n Roll===LP世代の人なら1枚や2枚、誰でもスリーブジャケットのデザインに衝動買いした経験があると思う。これはある意味LPならではの醍醐味だと思う。アルバム(音源)の内容は大切だ、が、LPのスリーブジャケットもそれと同じくらい大切だ。期待を持たせてくれる何かがある。CDでは感じることのないジャケットの完成度の高さや美しさが購入の動機に十分なり得た。アルバムのジャケットはその中身がどんな音楽なんだろうという好奇心をかき立てる魔力があった。 中には、音楽そのものよりもスリーブジャケットの完成度が完全に上回ってしまい、スリーブジャケットが勝手に暴走してしまうという本末転倒とも言える作品もかなりあった。私の場合、フレンチ プログレのJean Pascal Boffo (ジャン・パスカル・ボッフォ)のJEUX DE NAINS、CARILLONS、RITUELの3枚を素性も内容も知らずにアルバムアートだけで一度に3枚も買った記憶がある。(http://www.jeanpascalboffo.com/disco_008.php)どんな音楽だったかも思い出せないくらいだから、自分的には大したことはなかったんだと思う。ただ、そのスリーブジャケットだけが欲しくて買った記憶がある。中身を聴きもしないでジャケットだけを眺めて楽しんでいたのを憶えている。 こうなるとただの病んだ怪しいオジサンに他ならない。どこか、ミステリアスで何かが出てきそうなスリーブデザインがたまらなかった。 中身の音楽からは何にも出てこんかったが…。いまでも、音楽は忘れてもスリーブジャケットだけはしっかりと憶えているから空恐ろしい。LPというあのサイズだったからこそ実現できた、表現できた何かがあったと思う。直接音とは関係ないかもしれないが、スリーブジャケットのデザインや絵柄こそが中身の音楽と融合して更に中身を濃いものにしていくようなものもあったと思う。スリーブジャケットはアルバムにオーラをまとわせ、世界を創り出す大いなる導き手でありトリガーだった。 ピンク・フロイド「原始心母」の見返り美人ならぬ見返りホルスタイン。あれにはやられた。音楽的には不評でも、巨大な発電所の上をかっ飛ぶ豚がやたらリアルだった「アニマルズ」。レッド・ツェッペリンの「フィジカル・グラフィティ。」 あの飛び出す絵本のようなジャケット。おまけにダブルアルバムで貧乏な中学生は買おうにも買えない垂涎の一枚。音源はすぐに手に入ったものの、やはりあのアルバムジャケットが手許になく片手落ちのような気持ちで聴いたものだ。名盤のスリーブジャケットとレコード(音源)はいつも二つで一つだった。絵(スリーブ)は音ほどにモノを言う、こともある。古き良き時代の回想。