Ｎｏｒａｓ　Ｓａｙ　Ｏｎｅｓｅｌｆ

ブー　ブー　ブー　ブー…お父さんの携帯のバイブが鳴る

「もし～　エッ？買ってくんの～？…うん　分かった～っ　んじゃぁ…」


今日は　土曜日だというのに　午後から仕事の打ち合わせをしていた　お父さん…

せっかくの休みなのに　会社の近くの喫茶店に呼び出されたのだが…





「なんで　お父さんが買ってくんだよ～っ…まぁ　いいかっ近いし…」


打ち合わせ中に　かかってきた　電話の内容はというと…


「下北沢にある“あこべる”で　明日の朝のパン　買ってきてっ！」だった


“あこべる”とは１００％天然酵母のパンのお店の名前

我が家はその“あこべる”のパンのファンだ　休みのには必ず　そのお店に買いに行く





明るいうちに　打ち合わせを切り上げて　２駅先の　下北沢へ

もう　閉店が近いので　安売りをしていた　明日の朝の分をまとめて買って　我が家へ



「だいま～っ」　　　　　「かえり～さぁい　“あこべる”行って来た？」　　　　「うんっ」


ここまでで　皆さんは　お分かりだろうか…？

では　もう少し　我が家の日常会話を…



「やったー　あしたの　あさは“あこべる”だ～っ　　タクっ　っしいよっ！」

「そがしいのに　買って来たんだぞ～っ」


「りがとっ！」






こうして　明日の朝のパンも揃い　お母さんも　安心して夕食だっ


リビングテーブルに　夕食が揃い　みなで　食前のあいさつ（号令）


みんな揃って　「もすっ！」



これで　みなさんも　お分かりだろう

我が家は　言葉が省略されている


つまり　順に言うと…


「だいま～」は　　「ただいま～」

「かえり～さぁい」は　　「おかえりなさ～い」

「っしいよ」は　「おいしいよ」

「りがと」　「ありがとう」



きわめつけは　なんと言っても　食前の　「もすっ！」　だ

これは　「いただきます！」が　変換されたものだ



事の発端は　毎朝の忙しい時間帯…

我が家は　いつも　ギリギリまで　個人の時間を有効に使う（つまり寝坊…）


なので　朝食は先に食べ物を口に入れて　食前のあいさつ…

だから　「いただきます」が「〇〇もすっ！」に聞こえてしまうのだ


もちろん　玄関でも　靴を履きながら　「ってきま～す！」　

で　「らっしゃ～い」になる



こうして　いつの日か　“我が家の共通言語”ができた

頭の文字がなくなっているのだ…



明日は日曜日…

みんな　休みで　寝坊なんか大丈夫で　時間の余裕が有っても

「はよ～っ！」（おはよう！）から始まる


美味しい朝食の“あこべる”のパンがあっても





もちろん　朝食のあいさつは　

「もすっ！」