山頭火・・句画集
うしろすがたの しぐれてゆくか山頭火の代表的な句として、有名な句です。この句は、托鉢しながら厳しい旅を続ける山頭火が、旅先の支援者の援助で羽目を外して、(無類の酒好きなのでおそらく深酒だろう)自己嫌悪に陥った時の句のようです。「自嘲」という言葉が前置きとしてあるそうで、そういうことからも推測さます。愚かな己を責めるその自嘲の念と自己愛が交錯し、ソレを「しぐれ」という晩秋の冷たい雨の風景に重ね詠んだ名句ですね。この句が詠まれた経緯が、いかにも山頭火らしく、人間味にあふれ親しみを得、俳句の王道を行くような自然と心情が溶け合うような句の表現、これが山頭火の真骨頂でファンを魅了するのでしょう。 ふるさとは あの山なみの 雪のかがやくこの句のふるさとは、山頭火の生まれた、山口だったのか・・?山頭火の書いた文章に、「心の故郷」という記述があります。それは、心の拠所のような、或いは彼岸のような・・現実ではない、漠然とした理想郷のようなものだったとも思われます。遥か彼方にあり、美しく輝く・・・不器用に生き、厳しすぎる旅を行く山頭火が生み出した、幻想だったのかもしれません。作務衣 メンズ さむえ 男性 山頭火 手描き絵 紬織 長ズボン 長袖 あす楽生死の中 雪ふりしきる風雪に耐え、ゆっくりと歩を進める山頭火を想像します。凍るような雪を踏みしめながら山頭火は何を想うのでしょうか・・。生と死は裏表、死を意識する程の厳しい様は、生きることを、また生きている実感をリアルに鮮明に感じる瞬間でもあるでしょう。雑念は消え、そして、只、只、歩を進めているだけなのかもしれません。 ついてくる犬よ おまえも宿なしか孤独な托鉢の旅だが、以下の二句、小さな出会いの句で私の好きな句です。トコトコとやせこけた貧相な犬が、少し距離をおき、山頭火の後をついてくる絵が目に浮かびます。和む・・そしてせつなくもある句です。【新品】【本】グッとくる山頭火 コトバと俳句 春陽堂編集部/編 種田山頭火/著床の間掛軸【祝い掛け軸】■ 山頭火 ■西嶋和文作*尺八横【新品】【本】山頭火 〔4〕 一草庵日記・随筆 種田山頭火/著 村上護/編いつもひとりで 赤とんぼ 孤独な厳しい旅、このような、少しほっとする、つかのまでも安らぎ無しには流石に耐えられないでしょう。山頭火のファンは世代、年代を超えて根強いファンがいます。山頭火の句の持つ、不器用で正直な生き方と感情表現。人間の弱さに対する自責、自虐・・。誰もが多かれ少なかれ隠し持っている心の奥の片隅を、山頭火の句は刺激し共感を覚えるのかもしれません。