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カテゴリ:仕事
私の同僚は、全部で7人である。 古株は私とオーストリア人のロジータで、4年目。 ロジータは25歳の美人で、母国語のドイツ語のほかに、イタリア語、英語、フランス語を楽に操る超人でもある。 性格はまじめ一本、仕事中の無駄話などはまったくなしで黙々と仕事を続けるタイプ。 いわゆる、文句の言いようがない人物なのである。 が、ただひとつ、ジョルジョのお相手であるということが実はガンなのである。
ジョルジョは今年50歳になる、バツ一の深夜番(23時から7時)である。 彼の息子はロジータと同じ年で、3人で一緒に暮らしている。
ジョルジョは、深夜番などという仕事を続けているだけあって、独特の性格の持ち主である。 なんといっても問題なのは、仕事グループに入ることができないということ。
この仕事は、早番、遅番、深夜番に分かれていて、それぞれの時間帯によって仕事が振り分けられている。 しかし、日ごとのチェックイン、チェックアウトの部屋数や、その他のもろもろな理由によって すべての仕事を時間中に終わらせることができない場合、 次のシフトグループが前のグループから仕事を引き継ぐことになる。
これはごく当たり前のことであって、特に動きの多い週末にはジョルジョに仕事を残せざるを得ないことがよくある。 しかし、これを彼に言わせると “わざと仕事を自分に残している” となってしまう。
こうして文句を言うだけなら良いのだが、彼はそんなおとなしい人物ではない。
彼は23時から7時までの間、他のシフトに比べて断然仕事量は少ないはずなのに、 引き継いだ仕事をそのまま次のシフトに残したりする。 ある日には、“必要なソフトがなぜか使えなかったのでこの仕事ができなかった” と いうのでPCを見てみると、LANケーブルが抜いてあるのを発見したこともあった。
こんな感じなので、私たちはこの4年間、ただただロジータを失いたくないばかりに ジョルジョを雇い続けているわけだが、「来年こそこの二人に値する人物を見つけよう」 と今からはりきっているのである。
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