人生は夢に過ぎない (Life is but a dream) けれども
2歳5ヶ月の孫が、週一度、リトミックの教室に行っている。愛子さまもなさるという音楽に合わせて動作を楽しむ、あのリトミックである。今日は、ベビーシッターさんの車が故障してこられなくなってしまったので、そういうことの好きな私が「付き添い」を志願して出かけた。8人ばかりの小さなクラスで、今日はまず、♪Row, Row, Row You Boat・・・・♪と音楽がかかって、付き添いの人たちも、みんな一緒になって歌って踊る。日本でもよく知られた歌である。「よし、この歌は、私だって知ってるゾ」と、私も張り切って歌いながら、輪に入った。孫も、やはり同年輩の子供達に混じるのは楽しいらしく、にこにこと船をこぐ動作をしながら、大声でうたっている。♪・・・Gently down the stream,Merrily, merrily, merrily, merrily・・・♪まで歌ったとき、私は その次を知らないのに ハタと気が付いて、そこのところは歌っているフリをしながら、聞き耳を立てた。え? ♪ライフィズジャサドリー♪?それって、もしかすると、Life is just a dream のことだろうか。でも、「人生は夢に過ぎない。」って、そんなのが幼児の歌にでてくるわけはないし・・・聞くは一時の恥。歌っているフリだけしていたのでは、孫の教育上も悪い。 ”Excuse me!” と、やさしそうなお母さんをつついて、最後の行はなんて言っているのかを尋ねた。すると、やさしそうに見えたお母さんは、さすがに、やはりやさしくて、The last line is "Life is just a dream." とにこやかに教えてくれた。うそーっ!「人生は夢に過ぎない」なんて、織田信長じゃああるまいし、2歳や3歳の子が、ニコニコして、手をたたいて踊りながら歌う言葉じゃないですよ・・・。しかし、そう思って聞いてみると、たしかに子供達も付き添い人もそのように歌っている。子供達なんかは、Life がなんだかなど、まったくわかっていないから、朗らかなものだ。そのあまりの不調和に、思わず噴き出してしまったら、そのやさしいお母さん、私の方を見て、にっこりと、"Aren't they cute?" とのたまう。ええ、そりゃあ、かわいいですよ。かわいいけど・・・。と、私の方は又笑いがとまらなくなってしまい、傍から見ると、とても楽しんでいるオバアチャンに見えたらしく、「先生」も私の方をみてニコニコ。「グランマが楽しいと、マークも楽しいわねえ」と、孫に話しかけている。・・・ま、いいか。「人生は夢に過ぎぬ」と二歳児がニコニコしながら歌ひて踊ると、31音にしてみたけれども、この歌(?)から、この情景を想像してくれる人は、おそらく一人もいないだろう・・・と思うと、また噴き出しそうになる。