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久しぶりに、読書のことを。
今月前半、戦国武将物としてはキワモノと言える梟雄の「宇喜多直家」を読んで、予想通りかなり面白かったので、梟雄No1と言える松永久秀を読んでみました。 次男がヨットを始めたときのジュニアのスーパースターで、後に高校ヨット部の先輩になった方が、子孫です。 フィギアスケートの織田信成が信長の子孫として大きな注目を集めたのに、この先輩はその筋からの注目はされませんでした。 北京代表で7位だったのに・・・次のロンドンにも一番近いのに・・・ 「松永弾正久秀」黒部亨 PHP文庫 ★ 戦国の三梟雄の1人、宇喜多直家に続いて松永久秀を読んでみました。 梟雄と言われている宇喜多直家には、それほど悪役という感じを持っていませんでした。 毛利と織田の東西の大勢力に挟まれた播磨・備前・備中の地、草刈り場であるにもかかわらず、戦国武将にのし上がり、一定の力を保持したまま次世代の宇喜多秀家に家督を譲ることができたしたたかさに好感も持っていました。 ちゃんとした時代小説として読み、さらに好感度が増しました。 その流れで、三梟雄No1と言われている松永弾正を読んでみることにしました。 こちらは直家どころではなく、陪々臣の身でありながら室町幕府現役将軍を謀殺し、奈良の東大寺大仏殿まで灰にした仏敵でもあります。 でも久秀の生涯は、波乱万丈で面白いです。 出生不明ながら室町幕府管領細川家の陪臣三好家に拾われ、後に京に上り実質幕府を動かすことになる三好長慶の側近として、今日の実権を掌中にする。 山城・摂津・河内・大和を縦横に暴れまわり、堺の富とも結び、我が世の春を謳歌する。 信長の大勢力が、久秀が討った幕府の再興を旗印に畿内に伸びてくると、ころっと信長の下に下る。 信長が朝倉攻めをした時に、妹婿の浅井長政に背かれ背後を突かれます。 秀吉が大きな損害を出しながら殿を勤めた退き陣で、信長はたった数騎になって京都に逃げ込みました。 信長最大の危機を救い、退き道を作ったのが久秀です。 でも基本信長の軍門に下っているのが性に合わず、武田信玄が上洛に動き出すと、機を逃さず信長の留守を突いて反旗を翻し、信玄病死後はまたころっと信長の下に下る。 上杉謙信上洛に当たって、再び反旗を翻し、最後は信貴山城で爆死するという破天荒な生涯を送る。 支配地には、かなりの重税を課したようで、死後も人気は芳しくないが、人生を思いっきり生きた人ではあったと思う。 信貴山のような摂津・河内・大和を見下ろす高い山の山上城にも関わらず、物見としてではなく権威の象徴として高い櫓を立て、信長は安土城でそれを模したとされる。 また大仏殿放火を真似て、比叡山も焼いたともいう。小信長とも言える。 室町幕府の晩年期は、信長や秀吉の活躍の面から多く語られるが、その時期京・幕府を実質動かしたのが、阿波の三好であり松永久秀であるので、こちら側の視点で畿内の動きを読めたので、とても面白かった。 地元北摂津勢・伊丹・池田などの動き、丹波の波多野の動きも登場し、親近感を持って読めた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2011/03/24 06:41:40 PM
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