414002 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

non*non's diary

non*non's diary

暴れん坊さんより(束の間なれど平穏な時)

いつも素敵なBLEACH小説を書いている暴れん坊さん
誕生日祝いに私の好きな一護の話を書いて下さいました!
暴れん坊さん、ありがとう♪(^^)


束の間なれど平穏な時(黒崎一護)

新学期。まだ外は暑い。9月だからな。
日差しはきついが、学校の屋上はいい風が吹く。
今日はそんなに気温も高くねえし、俺たち・・石田、井上、チャドと俺・・は屋上で弁当を喰うことにした。

普段は文句を言う石田も、ジュースにつられてついて来た。

俺の弁当は妹の遊子が作ってくれているが、石田とチャドは自分でどうやら作っているらしい。
石田はともかく・・・チャドはナリはでかいが意外に器用だ。

井上は・・・・食パン1斤にピーナッツバターを瓶3個だ。
もしかして・・・あれ・・全部使う気か・・?

チャドは相変わらず、口数は少ない。井上は喋りっぱなしだ。何時の間に仲良くなったのか、石田が井上の話に突っ込みを入れている。

ああ・・平和だな・・・。

いつもの日常がこんなにも平和でかけがえのない物という事を、今回の戦いで、俺は初めて知った。

そして・・仲間がいるということがどんなにも心の支えになるのか、ということも初めて知った。

生きて帰れる保障の無い戦いに、こいつらは俺に命を預けてくれた。
ルキアを助けるという俺に・・力を貸してくれた。

・・・石田の霊力は、やはり無いみてえだ。
俺はよくは知らねえが、かなり無理をして戦った結果だって聞いた。
でもそんな事は、おくびにも出すような奴じゃねえし。
俺が謝ったところで、反って怒りを買うんだろうな。

・・あの戦いで、俺は実際強くなったと思う。

・・だが、強くなればなるほど、護ることがいかに難しいことなのか、分かってきた。
一つのことを護りきるっていうのは、直ぐに出来そうに見えて、その実スゲー難しい。

だが・・・俺は護りたい。

それも一つのことだけじゃダメだ。
俺の家族も、チャドも井上も石田も・・・学校の奴らも・・みんなだ。

別に俺はヒーローなんてもんになるつもりもねえし、なりたくもねえ。

だが・・・俺は護りたい。

前の戦いで、その想いがどんどん強くなっている。

・・『覚悟』だ。

以前、浦原さんが言ってた『覚悟』という意味が、ようやく分かったように思う。

半端な気持ちじゃ護れねえ。
迷ってたんじゃ進めねえ。

・・この平穏な時間が、少しの間だっていうのも気付いてる。
だが・・この平穏を乱す奴がいるというのなら、そいつをぶっ飛ばせばいい事だ。

・・・やってやる。

それが・・俺にやれることだと・・俺は知っているから。


屋上は相変わらず、いい風が吹く。
ここからの眺めは好きだ。

穏やかな時間。


・・・それを俺は護りたい。





リクエストをお受けして頂けるということで、
雨竜の話も書いてもらいました~~!!ありがとう♪♪


僕は・・・今まで一人だった・・。

『最後のクインシー。』
・・・それが僕だ。
クインシーであることを隠すために、友達と言えるものを今まで作ったことは無い。

そんな僕が・・・クラスメートとは言え、今まで憎んでいたはずの死神である朽木さんを助けるために、同じく死神の黒崎と共にソウルソサエティーに潜入することなど・・・
少し前の僕なら、考えも付かなかっただろう・・。

僕はそれまで、ある目的のために、仲間と共に命を賭けるという経験は当然したことはなかった。

・ ・・あれほど、充実した時間は今までなかった。
・ 一人ではないという安心感。
・ 自分を信じてくれているという満足感。
・ そして、目的に一歩近づくということの達成感・・・。

結果として鑑みれば、僕たちの目的は達成された。
・・・朽木さんの命は助かったのだから。

・ ・しかし・・・同じく結果として・・・僕はクインシーとしての能力を失った・・。

間違っていたとは思わない。
僕は今でも同じ状況になったとすれば、同じことをしただろう。
悔いは無い。

・ ・・だが・・・僕はもう彼らと一緒には・・・戦えない・・。
・ 恐ろしいほどの寂寥感。
・ 能力を失ってしまった僕は、もう彼らの仲間でいることは出来ないのか?
・ ・・・怖かった・・。

また、あの孤独の世界に戻るのかと思うと、一度手に入れた仲間を手放すことが・・
・ ・・怖かった・・。

普段どおりの態度を取ってみても、井上さんは僕の異変に既に気付いているようだ。
茶渡君も恐らく気付いているだろう。
黒崎はもともと探知能力が低い奴だ。まだ気付いていないだろう。
・ ・・気付いて欲しくない・・・。

屋上での昼食に誘われた時・・僕は正直嬉しかった。
・ ・・まだ・・・僕は仲間と認めてもらえているのだから・・・。

たわいの無い会話。
でも命を懸けて戦った者だからこそ、味わえる互いへの信頼感。

これを・・・僕は・・失ってしまうのか・・?

屋上は心地よい風が吹いている。
このまま・・・時が止まったらいいのに・・。
僕は現実主義者だ。
・ ・・そう思っていた。
・ でも・・・この時ばかりは・・・そう思わずにはいられなかった。

先生・・・僕は・・・もう彼らと一緒に戦うことは出来ないのでしょうか・・・。
今のところ望みは無い。
でも・・・そう願わずにはいられない僕がいた・・・。




© Rakuten Group, Inc.