有明の詩（ありあけのうた）

　　　　　　　「　部活動難民　」





　　　　　　　少子化の影響で部員が集まらず

　　　　　　　公式戦に選手登録人数が少なく

　　　　　　　出場することが出来ないので

　　　　　　　来年度は学校のクラブ活動の規定に従い

　　　　　　　新入生の募集はせず

　　　　　　　来年度の最後の公式戦を以って

　　　　　　　そのクラブは活動を休止するという

　　　　　　　生徒数も減っており

　　　　　　　今のクラブ数ではこれからの存続が難しいので

　　　　　　　後に訪れる予想される混乱を避けるため

　　　　　　　今のうちに判断しておきたいという


　　　　　　　すでに保護者も了承しており

　　　　　　　23年度には実行したいという


　　　　　　　この結論を聞いた

　　　　　　　休止させられるクラブの一年の女子生徒は

　　　　　　　透明な涙を流したいう


　　　　　　　苦渋の決断という

　　　　　　　学校側の大人的な判断は

　　　　　　　到底多感な生徒には

　　　　　　　受け入れられるはずもなく

　　　　　　　失意と落胆をもたらし

　　　　　　　他のクラブに所属しても

　　　　　　　自分の居場所を見つけられ難く

　　　　　　　部活動難民として

　　　　　　　後の学校生活を送るかもしれない


　　　　　　　学習をしたい生徒に

　　　　　　　学習の機会を与えることが

　　　　　　　部活動を続けたいのなら

　　　　　　　卒業までやらせてあげることが

　　　　　　　教育ではないかと思うのだが

　　　　　　　いちばんの弱者の生徒たちに諦めさせ

　　　　　　　犠牲を強いること

　　　　　　　中学校は

　　　　　　　こんな義務教育でいいのだろうか



　　　　　　　生徒たちよ

　　　　　　　君たちには

　　　　　　　教育の機会を与えられること

　　　　　　　部活動を続けられることの

　　　　　　　権利があるのです