自然育児法![]() 離乳食の回転法 離乳食から幼児食、大人と同じ食事へと進めていくためには、食物アレルギーを防ぐ回転法を使うと良いのです。回転法とはひとつの食物を一定の間隔をおいて与える方法で、このやり方だと同一食物を食べ続けることで起きてくる弊害、たとえば栄養の偏りや食物アレルギーを起こすことを防ぎます。 離乳期は4日休んで6日目に同じ食物を与える5日回転法で進めますが、ここで魚介類の5日回転法の例を表に示します。
A案:あまりアレルギーの心配の無い赤ちゃんのための案 B案:湿疹など中等度のアレルギーのある赤ちゃんのための案 表のように1日目と同じ食物は、2日目から5日目までは与えず、6日目に与え、これを5日周期で繰り返します。もちろんこれらの食品で問題なければ他の食品を加えて、新たな回転法にしてかまいません。この回転法はアレルギーの予防だけでなく、診断や治療にも役立ちます。 上の表にはさざえやたこなどが入っていますが、さざえやたこなど、こんな不消化なものを赤ちゃんに与えても大丈夫だろうかと心配される方もいるでしょう。さざえやたこもミキサーにかけたりすり鉢ですりつぶして与えれば、さざえやたこにアレルギーがないかぎりよく消化されて十分な栄養になります。最も不消化な食物はアレルギーを起こす食物です。牛乳や生卵や半熟卵などは、一般的には消化の良いものと思われていますが、もしこれがアレルギーを起こしているなら消化は非常に悪い食物と言っていいのです。 動物性たんぱく質は魚介類で 日本人が食べる動物性たんぱく質としては、魚介類が一番とりやすいので、離乳のときに最初に与えるとよいでしょう。特に貝類はアレルギーを起こさないようなので、離乳食にどんどん取り入れると良いと思います。動物性たんぱく質を始めるときは最初は慣らすつもりで1日1回1g程度にとどめ、次からは5gくらいづつ与えるようにしましょう。鮮度の落ちた魚介類は良くありません。 季節別に入手しやすい旬の魚介類は次のようなものがあります。 春:ニシン、サヨリ、トビウオ、コイ、フナ、メバル、ホッケ、イシモチ、サワラ、アイナメ 夏:カマス、タチウオ、イサキ、ギス、スズキ、アユ、ニジマス、ウナギ、アナゴ、ハモ、カジキ、メルルーサ、シャコ、コチ、カワハギ、シジミ、サザエ、アワビ 秋:ヒラメ、カレイ、サンマ、シラスボシ、エビ 冬:アンコウ、イワシ、ハタハタ、ブリ、ムロアジ、サメ、ワカサギ、フグ、シシャモ、アカガイ、アサリ、カキ、ホタテガイ、カニ 豆類は10ヶ月過ぎから 10ヶ月を過ぎたら豆類を与え始めましょう。豆類が、植物性のたんぱく質の供給源としてすぐれているのはご存知のとおりですが、豆腐の中で実際に食物アレルゲンになる頻度が高いのは大豆(だいず)、次いで小豆(あずき)です。大豆や大豆製品も5日回転法で与えます。与え始めはきな粉や豆腐がよいでしょう。この場合きな粉はむせないようにお湯をさしてドロドロにねって与えます。豆腐は生でなく火を通したものにします。少し慣れたら納豆をつぶしたものや、しょうゆ、味噌も結構です。しかししょうゆや味噌は大豆製品のひとつとして5日回転法の輪の中で使い、調味料として毎日使わないことです。1歳以後では調味料として毎日使ってもかまいません。その他の豆類も、大豆にならって5日以上の回転を心がけて与えます。 大豆アレルギーがある場合、最低1年までは大豆製品は与えません。1年以後は投与試験を行ってよく状態を見ながらどのようにするか決めます。小豆も満1歳までは控えましょう。小豆アレルギーもかなり多いので1年過ぎに与えるときでもアレルギー症状によく注意してください。また小豆はあんこのように、お砂糖をたくさん使って甘くして与えるのではなく、ゆでたものをそのまま裏ごしして与えたり、よくつぶして与えるなどがよいのです。 ささげは小豆に近いのですが、小豆よりはアレルギーが少ないようです。 大豆アレルギーのあるこどもには大豆、小豆などを避けて、そら豆、えんどう豆、うずら豆、とら豆、いんげん豆を注意しながら与えていきます。 繊維の多い野菜は避ける 野菜と果物は、離乳の初期、つまり6ヶ月過ぎから与えます。最初は裏ごし、につぶし、ジュースなどにして食べやすくします。満1歳になるまでは繊維に対して敏感なので避けるようにしますが、1年を過ぎたら繊維のある野菜も与えていくようにします。特に最近、繊維が体に良いことが分かってきました。実際に離乳期から、幼児期、学童期にかけて食物アレルギーがある子供は食欲むらで胃腸障害を起こしやすく、野菜が嫌いと言う場合が多いのです。そして食物アレルギーが治ってくると野菜を喜んで食べるようになります。 離乳の進め方 参考:吉田小児科医院 |