テーマ:詩&物語の或る風景(1047)
カテゴリ:雑
まだ見ぬ美しい女性に長いこと、 恋心をよせ続けていた男がいた。 その女性はいつしか行方がわからなくなる。 消息がつかめなくなってから5年の後、 彼女は女優としてTVに登場するようになる。 画面でその女性は、優しい笑顔を振り撒いていた。 あるイベントが、自宅からそうは遠くない所で 開かれると聞き、彼は彼女に初めての 対面を果たすべく会場に赴く 目の前にいるのは......、 彼は世にあらん限りの好意を笑みに湛えて言った。 「やっと、逢えたね」 すると、彼女は冷たく厳しい表情で言う 「勝手な思い込みで、私を作らないでよ」 彼は、言葉を失う。 目の前が暗くなり、身の置き場がない。 そしてとてつもなく哀しい気持ちになるのだった。 すると、遠くの方から声が聞こえる。 ...夢だ。それは夢なんだ。 全部夢だった。だから、目を覚ますんだ... 目を覚ました彼は、体を起こし、 哀しい気持ちが残っているのは夢なんかではないのだと思う、 再びどこに身を置いていいのか分からない気持ちに襲われる、 そこで、現実の彼の目は覚める、 時計をみると午前二時だ。 携帯を探す。 自分の夢は本当に消え去ったのか、 それを確認したい気持ちが抑えられずに、 しかし、それは辞めておこうと思った。 そして、何度も足元を見た。 自分の居所はどこなのかと...... 心の中は、遠い夏を思って目の前が遠くなる。 そうだ、この気持ちも初めてではなんだ... 彼は薬をとりに立った、どうしても夢の中に帰り、 ただ、さよならと言ってほしかったので お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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