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存生記

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2010年06月01日
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「プレシャス」を日比谷で見る。黒人の貧困家庭の中学生が父親にレイプされて妊娠した子供を出産する。しかも二人。一人はダウン症である。それでも彼女は教師や仲間に恵まれ逞しく生きてゆく。

 マライヤ・キャリーやレニー・クラヴィッツが出演しているとはいえ、あまりにも典型的な不幸話なのでストーリーの要約だけみたら見に行く気は失せる。映画館で見る映画は半分ぐらいは付き合いで見るので、そういうきっかけがなければ見なかっただろう。

 金八先生のアメリカ版の話なのだが、違うのはプレシャスの人間離れした存在感だろう。失礼な言い方になるが、ほとんどオラウータンである。日本人でも太った女性はいるが、外国人ほど太った人はあまりいない。スーザン・ボイルもそうだが、プレシャスには美人にはない強烈な吸引力がある。腕っ節もつよく暴力的だし、食い逃げはするし、あまり行儀はよろしくないが、ステレオタイプな妄想で苦しい現実から逃れようとするあたりは健気ではある。

 とはいえ、貧困や暴力に苦しむ女の子が聖人のような教師に出会って救われるという教訓話のようで、アメリカ人の贖罪のための映画のようである。虐げられた者たちの呪詛をよく聴けという監督の社会へのまっすぐな批判が強すぎた。個人的にはメルヴィン・ヴァン・ピーブルズの傑作「スウィート・スウィート・バック」のような無軌道な主人公が活躍するパワフルな映画が見たかったのだが、そのあたりは食い逃げの場面に限られていた。





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最終更新日  2010年06月01日 22時00分23秒



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