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カテゴリ:旅行
いくら円高とはいえ、2週間の日本滞在の間、家族を町から一歩も出さずに食事は生協の味見で済ませていた訳ではない。
息子達と私は1週間のJRパスを購入したので、一応観光客らしい事もした。 JRパスは日本国外に住む者(外国人も日本人)が購入でき、新幹線のぞみ以外は期間中乗り放題のパスである。 ユーレイルパスみたいなものだが、指定もタダで取れる、貧乏外国居住観光客には必要不可欠なものだ。 ホテル代をケチりたかった私は、桜の真っ盛りの京都や東京はあきらめ、長男の希望の広島原爆ドームと次男が見たいと言った金の寺見学を2泊で済ませる事にした。 それにしても日本のホテルルームは星の有り無しに関わらず備品で一杯だ。 歯ブラシどころかパジャマも付いてるなんて。 家から広島の安ホテルまで8時間、新幹線を3本と広島電鉄を乗り継いで、食事は全て駅の売店で購入。後で考えたら、やたら買い食いをするよりはレストランでしっかり食べたほうが安上がりだったが。 翌日は広島の原爆ドームでじっくりと時間を過ごせる予定だったが、宮島へJRの電車と船でJRパスを使って行ける事が判明し、強行軍で朝食後宮島に直行。 ここで計算外の時間を食ってしまった。 長男が島にいた鹿をいたく気に入ってしまったからだ。 動物や小さい子に好かれるのは常に次男で、長男にはそんなものがなついた記憶は全く無かった。 宮島のシカ達はよっぽどしつけが良いのか、空腹だったに違いない。 恐る恐る寄ってきた鹿をナデながら、長男は顔をほころばせて(こんな表情はここ数年見たことがない!)1頭持って帰りたいという。 鹿が寄って来るたびに、座り込んでナデナデがはじまるので、昼の京都行きの新幹線は逃してしまった。 原爆ドームも10分だけで、次の電車にやっと間に合った。 京都に着いたのは4時。 金閣寺はゼッタイに間に合わないと分かり、代わりに金の仏像が千体あるという京都駅に近い三十三間堂へ行こうと次男を説得し、奈良線と地下鉄を乗り継いで急いだ。 が勉強不足の私は地下鉄の降りる駅を2回も間違えて、寺に着いたのは4時40分。 4時半で入り口はしまってしまった。しまった! 京都で何か金色の物を見せないと次男は納得しそうにも無かったので、駅に向かって歩く間に開いていた東本願寺に入り込んだが、ここは地味な色しかないし、何も見えない! 6時半の電車で名古屋に行かねばならないので、しょうがなく小判の形をした金色のキーホルダーを買ってやった。 これで満足したのだから、次男の希望なんて大したことは無かったのだ。 後に旅行の感想を尋ねたら、次男は名古屋の焼肉屋で飲んだメロンソーダ!が一番新鮮な記憶だという。 長男は鹿と宮島、と母にすこしは気を使ってくれたが、そんなことなら旅行などせずに家でぐうたらして動物園とキッサテンにでも行けば良かった。 「鹿は日本語ではなんて言うの?」 と長男に尋ねられたが、私の機嫌はすこぶる悪かったので、姪っ子が可愛がっていたぬいぐるみを思い浮かべていい加減に答えた。 「わんわん」 それ以来19歳の長男は 鹿がが写っている写真を指差して「ボクのわんわん」とうれしそうにつぶやいている。 ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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