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カテゴリ:旅行
エジプト人には独特のユーモアがある。 アンジェリーナ ジョリー事件は別としても、愛想悪く冗談を言う人が多いので彼らのユーモアを解しない旅行者には通じないかもしれない。 最初はプールバーのウェーターのモハメッドだ。 ランチは毎日ここで食べよう、と決めたがラインフィッシュのマリネを注文すると他のものにしてくれ、と言う。 理由は「まずい」 からだそうだ。 それに水も不味いからビールにしろ、と言う。 ウエーターの言う事なのでおススメのピザとビールを注文したが、マリネがやっぱり気にかかる。 「どんなにまずいのか知りたいなあ」 ピザが今ひとつだったのでFrejaは愚痴る。 食べ終わる頃になってモハメッドは注文しなかったマリネの皿を持って来て黙って私の前に置く ダンナは「これはサービスだろう?」とモハメッドに言い、彼は黙ってダンナの腹をメニューで叩くフリをして去ってゆく。 不審ながらも手をつけたらあまりの美味しさに平らげてしまった 思いがけない事にやっぱりサービス(タダ)だった。 金銭にはうるさいと言われるエジプト人にしては驚きである。 翌日のランチ時にはダンナはテーブルに着くなりモハメッドを呼んだ。 「昨日と同じタダのマリネを4皿たのむよ。」 モハメッドは初めてにやりと変な笑顔を見せる。 結局私は残り一週間マリネを毎日注文し、 その分はタダ。 ダンナとモハメッドはかなり仲が良くなったらしく、毎日一人分ただにする代わりにチップをはずむ、と決めたらしい。 お互いにウィンウィンのビジネスである 次はカメラ屋の兄ちゃんだ。 水中カメラを求めて私は街のコダックショップに行った。 ラクダ5000頭の所は高かったので、別なクソ真面目風の兄ちゃんがいる所で値切りせずにも最初の店の半額以下で買った。 現像もかなり安く、商売意識もあまりなさそうなので最初のカメラをここで現像してもらう事にした。 「水中のモデルは素晴らしいんだけど、カメラマンの腕が悪いから技術で何とかして」 兄ちゃんはもぞもぞ言いながら引き出しを開けて写真の束を取り出す。 「そんな客用にごまかし様の写真を一枚2ユーロでも売っているんだ」 おっと、ごまかし写真はいるかやマンタレイなんかの大物の素晴らしい物ばかりではないか。 「これはあんたが撮ったの?」 兄ちゃんはもじもじしながら言う。 「いや、僕はこんなにうまくは取れないけど現像は上手だよ」 「じゃあその腕でホワイトシャークなんかを所々に入れてくれない?」 兄ちゃんは声をひそめる。 「いいけどさ、そのかわりシャルムエルシェイクで撮ったって誰にも言わないでくれよ。」 あ、そうだ。ここでは数年前にロシア人がホワイトシャークに襲われたんだっけ。 サメは入れてくれなかったけどこの店には数回立ち寄ってくだらない話で時間を潰した。 まだシーズン前なので皆ひまそうで、商売っ気も思ったよりない。 Frejaにカネがない、と分かるとさっさと商売はあきらめて雑談になる。 有名なキャメル ダイブ クラブではインストラクターのアブドゥラーに毎晩美味しいレストランの情報を地図に書いて教えてもらったし、なんと言ってもエジプト人は皆英語が達者でハンサムが多い。 アラビアのロレンスの頃のオマーシャリフが大好きなFrejaにはたまらない所である。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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