ビタミンの謎
明日はスキー90km大会のバーサロッペットだ。先週末は同じところで30km、45km、90kmオープンスタートのレースが開催され、私以外のトレーニング仲間達は皆さっさと出かけて行った。スサンヌは10時間で90kmを達成し、懲りずに今週末も10時間切りを目指して本当のバーサ大会に出る。彼女の踵と指は一面靴ずれでしっかりテープで覆われている。初挑戦予定のFrejaは?といえばソファーで大会の中継を見るだけだ。なんてったって一番最近のドクター達がまったく違う事を言い始めたからだドクター達、というのは診療所のうら若き新人ドクターと大学病院の整形外科大御所お局様(古い言葉?)の二人のキャリアウーマン達である。新人ドクターのサラは、分厚い眼鏡をかけたいかにもガリ勉の内気そうな女の子だが、さすがに最新知識には長けている。経験だけで診断するお古ドクター達にうんざりし始めたFrejaは最近は若いドクターにかかる様にしている。サラはFrejaをレントゲンだけではなく骨の強度の測定に送り、その結果Frejaは骨の密度が標準以下だという事が分かった。だから骨もいつまで経ってもくっつかないのだ今までスポーツをずっとし続けてきて骨は鍛えられてるはずで骨折などした事の無いFrejaにはマッタクのである。サラが言うには「ビタミンDが全然足りないのよ」血液検査でもカルシウムは通常でもやっぱりビタミンDが通常の半分しかないと分かった。日光の少ない所で産まれ育った北欧人に比べ、南のほうから引っ越してきた移民の体は日光からビタミンDを作る能力が劣っている、と最近分かったそうだその後やっと順番の回ってきた大学病院の整形外科ドクターは、こんなギプスブーツを二ヶ月も履けと言った寝る時とシャワー時だけはずして良い、と言われたが交渉の後、水泳中もはずして良いと言われた、というかスイミングはしても良いと言われた。今までの話をまとめると、最初のヤブ1がギプスをはめるべきだったらしいが、5ヶ月も経過してから固定して役に立つのだろうか? という私の質問には分かんないけど一応試してみましょう、とそっけないお答え。こんな拘束衣、いや拘束ブーツをはめられたらFrejaの生活はタイヘンな事になる。第一外はまだマイナスで雪、アイスバーン、泥、駅の階段、などこんなブーツでは危険が一杯で足は凍え、靴の中は会社に着く前にびしょぬれか凍っているに違いない。それにこんなブーツではなんのトレーニングも出来ないではないか(スイミングはFrejaにはリラックスでトレーニングには入らない)一応試す、だけの為にこんな苦痛を強いられるのはゴメンだ、と判断しブーツはさっさとお払い箱へ。お払い箱、というのはオフィスだ。仕事中だけ着用し、ボスの所に行く、などという肉体労働は避けられるという仕組みであるたかがビタミンD, されどビタミンDである。ビタミン剤を沢山飲んでいるが、サラに言わせると一番良いのはやっぱり強い日差し、だそうだ。特に冬にホリデーで暖かいところに行く、のは魚肉卵や肝油を大量に取るよりずっと効き目があるそうだ。体がなまらないうちにポルトガルかスペインだ!