草木染めの『耐光』堅牢度
石川県の工業試験場でヤシャブシ染めの耐光堅牢度を調べてもらった。昨年の秋に一度試料を出して耐光や耐摩擦、汗などの堅牢度検査をしたのだが、このときは耐光3級未満だった。染め方の問題を洗い出して今年また数種類の新たな染め方を行い、絹と木綿の染め布を20点ほど調べてもらった。絹はグレーの染め色が3級、少し濃い目で3級以上、木綿はこの方法では3級以下という成績だった。ヤシャブシは絹にはよく染まるが木綿に染着が良いほうではないので色が薄い。化学染料による染色布は衣服としてのめやすがあって、耐光堅牢度3級以下ではデパートなどで販売してもらえない。草木染めの耐光堅牢度を化学染料による染めと同列にみなすのには疑問の声もあるのだが、衣服として使用するのであれば光による色あせや汗による変色などは不良品と見られてもやむを得ないだろう。布を染める場合も糸を染める場合も同じ。趣味で染めた人が売る場合も著名作家の作品でも同じだと思う。自然のものというので甘い判断がされる場合もあるし、情緒や詩情を優先すれば少しぐらいのことは許してもらえる場合もあるかもしれない。お客様が自然の味として容認してくれる場合も時にはある。化学染料と併用して染める人も居る。人それぞれだが、これは染める人の意識の問題だ。自分の染める衣服をどうしたいのか?自然に対して、どうしたいのか?どんな姿勢で草木の染めや自然に向かうのか?自分に問いかけるだけだ。厳しくあればあるほど自分で自分の首を絞めることにもなるのだが。化学の基準と同じ条件の入り口を通ル事ができたとき、自然を壊している人間の一人である私を自然が許してくれたような、認めてくれたような気になるのは錯覚だろう(笑)全ての草木の染が良いわけではない。本来植物は染めるためにあるのではない。染めるに適した植物を探して選び見つけたとき、どこか、自然と人が一線を越えて交わった世界に滑り込んだような嬉しさがある。これに浸りきると、化学の世界というより宗教かもしれない(^^ゞ全ての草木染めの堅牢度が良いわけでも悪いわけでもない。手抜きをすれば自然の色も化学の色も、どちらも退色する。この先も丁寧な染めを繰り返して、検査の通る色を増やしていきたいものだ(^^▼能登の手の日々 カテゴリー ●全て ●日々 ●街中ギャラリー ●染色 ●能登、そして、この町 ●絵・美術について ●CG ●食べもの ▼能登の手の作品集 (写真・CG) ▼リンク ●ようこそNotoNote オリジナルのデザイン・あつらえの着物。染色・草木染めの専門ページです。 ▼お気に入り ブログ・その他 ●Water-Colour ひろろdecさん ●紅の水絵日記 M-Crimsonさん ●MoMo太郎日記 MoMo太郎009さん ●Kleine Erfrischung kamoppieさん ●考え事ほか vissel-篤胤さん ●地元力向上委員会 hanami73さん ●今日の空 つるまる5さん ●Que sera sera 五右衛門0563さん ●染工房えむ koubou-mさん ●バンブーおじさん奮闘記 幸達さん ●てんてん日記 もえぎさん染色の専門サイト★能登の手へのメール