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能登の手染め日記

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Sep 18, 2019
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カテゴリ:染色
今回は福島産のウルシをアルカリ抽出と酸性抽出の2通りの染料を作って試験染め。
ウルシ液はアルカリ抽出も酸性抽出も、木綿にも絹にも良く染まる。これまでに能登産、丹波産、盛岡産、茨城産などの実験を行ったが、同じような染色結果になっている。

心材の美しい黄色の部分のみ使用。乾燥チップ各250gを5ℓの水道水に入れ加熱、沸騰させて30分、約4ℓの液を4回。両方とも、それぞれ合計約16ℓ抽出した。



左PH9アルカリ抽出、右PH4酸性(沸騰の泡が出る程度で30分)抽出



媒染は常温で20分。染めは常温から布を入れ加熱し沸騰させて30分。


絹染色データ:左:アルカリ抽出、右:酸性抽出。両方とも酢酸アルミ媒染

媒染と染を交互に合計4回繰り返す。幹の心材の黄色が美しいチップだったので、美しい黄色と金茶色が染まっている(^^

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Last updated  Sep 18, 2019 09:03:25 AM
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Sep 14, 2019
カテゴリ:染色
手元に福島県産のウルシ材が届いた。さっそくチップにして煮出し試し染めを行なうことにした。

ウルシのチップは産地ごとに異なる表情をしている、それは県の違いと言うより、例えば能登産のウルシでも日当たりの良い肥料の効いた土地の木であれば、当然のこと生育は良い。年数によって年輪が広かったり蜜の木もある。その本来の目的であるウルシの樹液の良し悪しは別の判断として、染料用のチップとしては黄色の心材の美しさが重要になる。



左下、輪切りのウルシ材。これを細かい柵状にしてチッパーで細かくする



枝切りバサミで1~2cm程度の大きさ(左)のチップにしてから煮出す

今わかることは、私の染めた・・・2年間しかない経験だが(笑)チップの色が濃い黄色で均一な状態のチップが染色用チップとしては最適だといえる。福島のチップも美しい黄色。今回の材は直径10cm未満の小枝が多いので、色は、それほど濃く無い。この木の根に近い部分が熟した赤みの濃い黄色だと思う。

ただ、このレモンイエロー味の黄色は、美しい緑色を染める期待もある(^^

産地によって年輪の状態は異なるが、結論として、染料にするには色の美しい木材を数本集め、白い部分や汚れたり黒い部分を除き、太い部分と細い部分を満遍なく入れて常に同じような状態にする方法がある。そうすると、同じように抽出して同じように染めると同じような生地ならば、何時染めても『同じような色』にすることができる。・・・どこまで同じようにするか?それは、染める人次第(^^ゞ

そして、豊富に材料が手に入る産地であるならば、赤みのある黄色や緑味の黄色、太い部分、細い部分を分けたままチップにして染めると、色味の異なる染めを手に入れるという恩恵に浴することもあるのだった(^^・・・とても気の遠くなるよう豊富なデータが必要だが(笑

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Last updated  Sep 16, 2019 02:39:01 PM
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Aug 29, 2019
カテゴリ:染色
2019年の夏《藍の生葉染め》
丸葉と長葉を収穫し、先ずは藍の葉をミキサーに掛けて細かくする。


布漉しをして生葉の藍染液をつくる

染色用の絹糸は生葉にも泥藍にも良く染まる
こういう実験のときは私も参加(笑)画像下の部分は濡れた状態

上が乾燥した感じ 木綿ハンカチ(左)絹ストール(中が丸葉、右が長葉)

《丸葉と長葉の比較》染液を作る段階では長葉のほうが葉脈の筋が太く、丸葉のほうが液を作りやすい。今回の一例では丸葉のほうがターコイズブルー気味で、長葉は空色から薄い藍色に近かった。

今年の夏は雨が降らなかったので、水遣り次第で育ちが異なる。葉の育ちは長葉のほうが良く濃い緑葉で、丸葉は小さめで葉の色も薄かった。2,3日前に雨が降って少し勢いが良くなったけれど、生葉染には良い状態とはいえなかった。なので結論は断定せずに、また来年比較したい(^^

絹に明るいブルーを染めるには、晴れた日に手際よく作業をする。木綿を染めるには、液にソーダ灰を入れてPH11、ハイドロを加えて攪拌し30分から1時間置いてから染める。泥藍ほど濃くは染まらないが、手軽に藍染めを楽しむには十分な濃さだと思う(^^

私の知る範囲の藍染めは、PH11のとき最も効果的な発色をする・・・詳しい理論は質問しないように(笑

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Last updated  Aug 29, 2019 11:20:31 AM
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Aug 24, 2019
カテゴリ:染色
今の夏最後の《藍の生葉染め》を行います。
①藍の丸葉と長葉の2種類の染めの比較
②絹ストールと絹糸にターコイズブルー、木綿布に生葉で藍色の染め
8月27日(火)午後1時より新谷工芸で、
藍の葉が少なくなったので少人数の講座です。
ご希望の方はメールまたはメッセージで御連絡ください。・・・場所は奥能登の僻地ですが(^^;


右側は丸葉、左側は長葉

能登産の藍の栽培も30年近くなる。若いころ木綿には染まらないといわれたので、何回も実験をして木綿に染める方法を試した記憶も蘇る(笑)丸葉も長葉も生葉染に出来るが、今回は染まり具合のほか、使い易さの比較も考えてみる。能登産の沈殿藍とインド藍の染め重ねも行う。藍染めは楽しい(^^

最近は講習の依頼がないと、せっかくの生葉も染めない年もある。染人も高齢化で動きが鈍くなったが、藍の色は鮮やかでグラデーションが美しい(^^

この続きは27日の結果報告で(^^

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Last updated  Aug 24, 2019 06:48:51 PM
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Aug 16, 2019
カテゴリ:日々
今年のアジの熟れズシは、例年と違うことが2点もあって出来上がりが非常に心配だった。いつもは10cm程の大きさのアジを5月下旬までに漬けるのに、その大きさのアジの水揚げが無く無理かも知れないと思っていた。漬け込みの最終期限ギリギリ6月中旬に実施、そして小アジが少なく15~20cmにも及ぶ脂の乗ったアジが多かった(^^;

加えて、カラカラ猛暑!不安要素が3点もあった今年の夏、米だけで醗酵させる古典的アジの熟れズシの運命はどうなった?(^^:


右10cmほど、左2匹は15cmほど

一見いつもと同じような感じ

漬物小屋から桶を持ち出し新聞紙やナイロンを取り除くと、案の定、脂分が浮いていた。・・・やばい(内心の不安が的中)蓋代わりのご飯を除いて取り出した一匹目を食べてみると、微妙・・・醗酵不足か?いや、大き目のアジの骨が太いので醗酵しても溶け切っていない。

う~~~ん、と落ち込むその後、時間の経過とともに酸化が進み、午後にはいつものような醗酵状態になってきたが。そして、なんとか親戚のおばさんからも「大丈夫、美味しかった」と言ってもらえてホッとした(^^)・・・醗酵臭も少なく味も悪くは無いが、大きな魚は骨が当たり、ちと脂っぽい。

やはり5月下旬くらいに小アジを漬け込むのが理想だと、再確認。でも、そのころのアジが手に入りにくいのも事実なのだった。

子供のころから慣れ親しんだアジの熟れズシ。漬け込むときに酢を使えば改善される点もあるが、それは私の食べたい熟れズシではない。ご飯だけで醗酵させた熟れズシが食べたいのだ(笑

近年の高温の夏とアジの大きさを乗り越えるには、蓋にするご飯の量や脂分の取り出しなど考えられることは幾つかある。美味しく食べ続けるためには、まだまだ工夫が必要のようだ(^^;

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Last updated  Aug 16, 2019 09:06:12 PM
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Aug 11, 2019
カテゴリ:染色
8月10日、丹波漆を染める講習会へ行きました。京都府北部の福知山市夜久野町は、古くから丹波漆と呼ばれる漆がとれる地域で、現在も後継者を育成しウルシの植栽を行っています。こちらNPO法人丹波漆
昨年に引き続き真夏の京都へ台風の隙間をぬって、夜久野町にある緑化センターへ行ってきました。京都北部の山間地、高原で風も緑も気持ちよいけど、やっぱり暑かった!(^^

緑化センターの職員さんとNPO丹波漆の皆さんのお世話で、丹波ウルシの染めの準備をしていただき、19名の方の参加でウルシの基本3色を染めることが出来ました。


参加者には親子の皆さんをはじめ、草木染を楽しむグループ、藤織の皆さん

次回への期待としてストールや絞りの模様付けへの意見も出ました

京都府緑化センター前の記念写真

丹波漆を染めるのは能登の工房の実験を含めて4回目になりますが、ウルシ廃材の断面の幹の色が濃い黄色で美しいです。その抽出液の状態も良く染め上がりが良いと思います。

講習会の終わった午後、7名の方々と予定外の意見交換会も行いました。緑化センターの皆さんのご好意で時間を延長していただきました。ありがとうございました。

丹波漆はウルシの心材の密度も高く、黄色味も濃くて染めに良い材料です。植栽活動を始めて8年目の木も育ってきて、もう数年で漆液も採取できそうです。その廃材を使ったウルシ染めの活動が、地域の方に広がる期待が出てきました。(^^

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Last updated  Aug 11, 2019 05:29:42 PM
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Aug 3, 2019
カテゴリ:絵・美術について
穴水町公民館『プルート』のロビーにアクリル水彩画3点を搬入、展示してきました。

穴水町公民館から昨年の町文化祭などに出展した線路の絵、『あれから』の展示打診があったのが7月中旬。私としては線路の絵が1枚だけでは寂しいと思い・・・能登線関連の写真の展示も思ったのですが。

デスクワークのみ許された左目の治療中でもあり、悩むより、探すより、この眼で、どこまで描けるのか確かめようと思ったこと。新たに2枚の1985年頃の国鉄能登線の絵を描いて、能登線の三部作として展示させてもらいました。



左は『線路の入れ替え』F6号  中央は『あれから』F30号  右は『夏の駅』F6号

穴水町の駅前プルート、会場へ入って1階正面の奥に展示してあります。何かの折りに穴水駅近辺へ行くことや時間がありましたら、ご覧になってください。

以下《私の記憶の中の話》・・・ちょっと古いことで曖昧(^^;
かつて能登線は「母ちゃんたちが線路を敷いた」と聞いたことがあった。父ちゃんたちは出稼ぎで居なかったので、母ちゃんたちが線路の土方で働いて日銭を稼いだのだという。私が子供の頃、60年程前の話かな・・・?

イノコヅチとドクダミの生える線路『あれから』は廃線から一年後の5月のこと。その後に線路はめくられてしまい、この景観は二度と見ることも描くことも出来なくなった。

右の『夏の駅』私の記憶では夏だけ停まる臨時の立戸の浜駅(後に沖波駅)。ホームの高さが他の駅よりもはるかに低く、???と思ったものだった。

そして、30歳過ぎて田舎へ帰ってきた1985年頃の私は、仕事に追われ落ち着いて絵を描くことが出来なく、車の中にリバーサルのフィルムを入れた一眼レフカメラを積んで、何かあるとシャッターを切っていた。気がつくと、今、その時間を取り戻すかのようにして絵を描いている。

そろそろ、自分自身の仕事や作品をまとめてしまう時が来たのかもしれない。眼の治療も、その準備なのかと思ったり、もし次の病気が襲って来たら・・・(^^; だからこそ、今、描けるときに描いておこうと思うのです。

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Last updated  Aug 3, 2019 09:56:47 AM
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Jul 28, 2019
カテゴリ:日々
網膜剥離の手術から2ヶ月。今、リハビリ期間中で出来ること。それを考えたが、デスクワーク以外は行えないとなると?・・・パソコンで図案を描く?・・・染色の作業は無理なのに、今その図案は不要だろう。今は、一筆で決めることが出来ない状態のままだ。

他は何も出来ないのか?・・・いや、今のこの眼で、現実に絵が描けるのか?色は見えるのか?形は歪まないのか?何よりも、この不安の答えを出したい!左目は少し歪んで見える。だから左目を閉じて描く。右目は裸眼で1.0近くあるはず。老眼も酷くない。片目の一点透視で、もちろん、画像は歪んでない!利き目でもある。水彩画なら、アクリル絵の具なら何度でも描き直しできるから。


線路の入れ替え(F6号 部分)


夏の駅(F6号 部分)

何度でも塗り重ねる描き方ならば、何とかなる!色は見える!直線も描ける!歪んだ画像も修正できる!(^^ゞ

しばらくはリハビリとして染色データの作成と、アクリル画を描くことにする。・・・しかし、こんなに落ち着いて絵を描いたのは、35年ぶりかもしれない(笑
・・・いや、本当は家の周囲の草刈りを優先したい!(農作業は力仕事と振動が禁止中)

5月16日の手術から、術後はどうなるのか分からなかった。2ヶ月間、不安から眼の状態を話すことも出来なかったけど、なんとか絵は描けそう・・・ご心配おかけした方々へ、ようやく報告できます。ありがとうございました!

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Last updated  Jul 28, 2019 10:15:00 AM
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Jul 25, 2019
カテゴリ:日々
・・・『眼の中の水溜り』・・・意味不明のサブタイトル・・・(^^;
網膜剥離の手術で左眼に入れたガスは、普通では2週間程で抜けるということだった。だが、私の場合は剥離の状態が長かったために、万全を期して6週間程のガスを入れたとのこと。

2週間の入院期間が過ぎて5月31日、退院のときが来たがガスはまだ視界の中央ラインに揺れていた。身体は元気で飛び跳ねたい気分だったが、安静にしてデスク作業のみが許された(^^:)

自宅療養1週間、本を読むしかなかったが・・・水平線は上向きの円弧となり、そして、それは2週間目に『眼の中で水溜り』となった(実際はガス溜まり)



左眼に見える画像は日によって大1個の水溜り、日によって大小3個


左眼の中の水溜りは日毎に小さくなってきた

大小の水溜りは頭を動かすたびに、ぷるんぷるんと眼の中を跳ねまわった。小さい水玉は視線を動かすと、ピュ~ンと右から左へ飛び回った(--;

染色の仕事は下を向いて行うことが殆どで、両方の眼を開けて描かないと距離感がつかめない・・・具体的には、思ったところに筆を置くことが出来ないし、目的の場所へピシっ!と線が引けない!布の上で、やり直しは出来ない・・・。

『眼の中の水溜り』がプルンプルンする眼では染色の模様は描けない!どうしたら良い?(一_一;

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Last updated  Jul 26, 2019 02:29:49 PM
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Jul 21, 2019
カテゴリ:日々
5月16日、左眼の3分の2以上が暗い幕に覆われて見えなくなったので、緊急入院。網膜剥離の手術を行い眼球にガスを入れることになった。

どうやら過去に何度か行ったレーザ治療の跡が、目の老化に対応できず小さな穴が空いて網膜に血が入って見えなくなった、ということらしい。失明の危険もあるということで、さすがに驚いた。折りも折り、輪島いろは蔵で染色展の搬入、展示の準備期間であった(ーー:

まぁ、なるようにしかならないので、妻に展示を任せて、私は内灘の病室から分かる範囲でDMの宛名を書いた。アドレス帳に未記入の方には案内を出したくても出せなく、展示期間が来て諦めたというか、失礼をしてしまった。

手術も、その後の経過も順調だったが、手術の後は丸1日下を向いて過ごす。というのが、つまり1晩下向きで寝るということ。これが、かなり厳しい。2時間くらいで眼が覚めて一夜が過ぎた。


手術前に左目に見えた世界(イメージ)
手術後に見えた世界は、目の中に水平線が揺れていた(イメージ)

顔を傾けると水平線が斜めになり、窓枠が歪んで見えた

眼球の中に入れられたガスの圧力で網膜をくっつける・・・あまりよく理解できないけど、左目の視界上から5分の4くらいのところで、ゆらゆらと揺れるガスの水平線が見えて、実像がボケて観えないし見ていると船酔いしそうな感じになった。

何もしないで病室に一日を過ごす。・・・小学校3年生のとき盲腸で入院して以来だが、この年齢では足腰が弱りそうな気がして、3日目に廊下に出て曲がり角の陰のほうで屈伸運動をしていたら、看護師さんに見つかって「絶対安静の意味、分かっていますか!」と叱られてしまった。

ガスが眼の中にあるうちは安静にということらしい。
眼の中の水平線は、なかなか変化しない。ガスが抜けるのは、何時のことか?・・・たいくつで・・・退屈で。(以下次回)(^^:

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