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能登の手染め日記

能登の手染め日記

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May 8, 2007
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カテゴリ:染色
昨日の日記に『古典にも、伝統的技法にも、はじまりがあった』と書いた。その続き。

着物の仕事をしていると、古典模様や伝統的技法というのに直面する。

友禅は江戸時代の扇絵師、宮崎友禅斎の名前と当時流行りだした染色技法が一体となって着物の模様の総称(のように)になってきた。一方、ローケツ染めは、古くは正倉院御物にある染色技法の三纈(さんけち)「臈纈(ろうけち「ろう」は草冠に「臈」)夾纈(きょうけち)纐纈(こうけち)」の一つ、ローケツによる模様付けが大正時代から昭和にかけて自由な表現方法として新たな発達をした。

発祥の時代としてはローケツ技法のほうが古いのだが、友禅の染色技法が発達し留袖の模様などに使われ格式の高い染色方法となって、友禅の技法のほうが伝統的技法といわれたりする。ま、伝統『的』というのがキーワードで、どっちも古くから続いた染色技法という場合もある(^^

面白いのは、江戸時代に当時の贅沢禁止令の中で着物に豪華な刺繍模様を付けることができなくなったため、その逃げ道として、禁止されていない染めの技法で華やかな模様をつける友禅模様が、おしゃれとして流行し技法も更に発達した。そして、大正昭和期の自由な機運の中で衣装の模様も大胆に変化していくが、同時に化学染料の発達もあり、友禅技法よりも更に自由な表現ができるローケツの技法がおしゃれ着の模様付けに広まったのだった。

どちらにしても始まりは画期的な表現だったわけで、その時代背景とあいまって発達したのだが、今の時代の私にしてみると描きたいものに合わせて都合よく使い分けているだけだ(笑

説明が長いわ・・・(--;
写真は能登上布タペストリーに草木染のローケツ抽象柄。
能登上布・抽象.jpg

昨日の写真もそうだが、10年ほど前は、丸、三角、棒、四角というシンプルな要素だけで画面を作ることに熱中していた(^^





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Last updated  May 8, 2007 11:27:23 PM
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