今日の能登は晴れて山にも雪は無い・・・? 中国地方には豪雪被害のニュースも出ているのに、窓の外、穏やかな海が見える。
仕事場では桜の枝を煮出している。桜の染め液を使えるようにするには時間がかかるので、煮出しながら黒留袖の作業図案を描いている。
こうして染めの仕事をして、幾多の植物を煮出してきた。捨てられてしまう、もしくは見向きもされなかった草木の実や根が良い染料になった。
能登に自生する草木や栽培する植物を使って、品質の良い草木染めを行いたい。30年ほど前から植物の染色データを採り始めた。それが能登に暮らす染め人の仕事だと思うようになって、5年ほど前から形にしてきた。そのひとつがカタログに掲載されている。

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能登の丘で採取したヤシャブシの実と栽培した藍で染めた絹ストール。ロウケツ染めで大小に変化する市松模様を描いた。男性も女性も使えるシックな色あい。能登の冬の色合いかも?
ヤシャブシのグレーも藍も何度も染め重ねて、工業試験場で耐光試験を行って3級~4級という良好な結果を得ることができた。生地は群馬産のシルク100%ストール、約57×170cm。
身近な植物で高いクオリティの染めを、もっともっと実現したい。テーマは二つ、草木染めに模様付けと良い耐光堅牢度は手仕事で実現できる。このハードルは高いけれど、それが私に与えられた仕事なのかと思う。
・・・黒留袖の図案を続けよう。暖簾の図案の締め切りも迫っている(^^; | |