日本国内で漆器の産地は多くあるが、岩手(浄法寺)、石川(輪島)、京都(夜久野)などで漆器に使う樹液を採取している。しかし国産の漆は国宝の修理などに優先されて供給されるので、漆器に使う漆は中国産が殆どということを、最近知った。
そして10年から15年かかって育った漆の木からウルシ液が採取され(採取後は濃い成分のウルシ液が取れなくなり)伐採か放置されてしまうという。その廃材は燃やされてしまうことが多かったようだが、最近草木染めの染料として優良な品だということが分かった。

上の段は絹のアルミ媒染、銅媒染、鉄媒染、下の段は綿ローン60番

綿ローン60番ハンカチ、アルミ媒染、銅媒染、鉄媒染、 ウチの工房でも捨てられるウルシの廃材を使って平成28年から染色データを採ってきた。水道水を使用、濃染処理や豆汁などは使用していない。
木綿にも絹にも良く染まり、工業試験場の耐光堅牢度試験でも多くの色が3級~の結果を得ている。草木染を行ったことがある人ならば、このデータの意味が分かるはず。
ということで、今回輪島のウルシ廃材からチップを5kgほど削り、・・・指も削ってしまったが(--; 煮出して染めのデータと作品を創っている。
7月から、データと作品発表と体験教室を行う予定。 | |