あれこれとウルシ染めの実験をしてきたところ、各地のウルシ廃材が手に入るようになってきた。今回は木曽のウルシ材をいただきました。コレはすごい!直径25cmほど。幹を切って断面を見ると、全体に美しい黄色がみっしり詰まっている(^^

伐採後5,6年は経過しているようだが、丸太の切断面が美しく濃い黄色

工房で扱ったウルシ廃材の中で、最も濃いレベルの黄色の心材

いつでも染色に使用できるように細かいチップに加工して冷暗所に保存
ウルシの染料チップを作るのにあたって、日本各地で色の違いがあるのかを調べてみたが、県別や地域ごとの違いは特に無かった。同じ地域でも樹木の生育環境と幹の部所によって染まり具合が異なることが分かった。
つまり、どこの県のウルシが良いとかではなく、今回の木曽のウルシ材のように、年輪が均一で蜜なこと、黄色の色が濃くムラのないこと。虫食いや枯れた部分の変色が無いことが良い。そして黄色以外の部分があれば取り除くことによって、おおむね良い染料になる(^^
幹は太い根のほうが黄色が熟している感があり、濃く赤味の黄色に染まる。小枝になるとレモンイエローの傾向があり緑色味に染まることが多い。
いまのところ盛岡、会津、茨城、木曽、能登、丹波のウルシ廃材を比較した段階ではあるが、機会があれば北海道とか九州・沖縄のウルシ材も染めてみたいものだと思う。江戸時代以前から中国産の漆液は輸入されていたようだが、液だけの輸入では廃材は手に入らないだろうな(^^ゞ
染めるためには漆の木が必要なので、国産の漆を育てる応援をしていきます!
気がつくと、いつの間にか《漆オタク》みたいになってきた(笑) | |