ウルシ染めの特徴として木綿にも絹にも水道水を使用してよく染まり、耐光堅牢度も銅と鉄媒染では3級から3級以上の成績が出て、ウルシは非常に良い染料だ。と書いていたら他の天然染料の染まり方と、どのくらい違うのですか?と質問された。・・・(^^;
軽々しく「良いとか悪い」とか書いてはイケナイものだと思う。自分の言葉で自分の首を絞めるかも?(笑) 草木染を長いあいだ行ってきてデータを採取してきたけど、実は同じ基準で染めの比較をしていない。かつては地下水で染めていたが、今は基本的に水道水で染めている。
私の中では経験からくる推測と感覚で比較し整理している。しかし、それでは基準が曖昧だ。同じ条件で同じように染めた色を比較しないと、染まりの良さの違いを説明しにくい。
そこで、草木染の入門編で代表的なタマネギの染めから再検証(^^
㏗7水道水を抽出にも染色にもすべて使用。繊維1gにタマネギ外皮を1gの比率で抽出した液を染色に使用、繊維の重さ×50倍量の染料液で染める。
先媒染+染め+媒染+染めの4工程を基本にしている。

アルミ媒染:左は綿ローン、中は左の綿に+媒染、右は絹(ちりめん)

銅媒染:左は綿ローン、中は左の綿に+媒染、右は絹(ちりめん)

鉄媒染:左は綿ローン、中は左の綿に+媒染、右は絹(ちりめん)
タマネギの木綿染めは、染めで終わると色味が弱いので媒染で終わるほうが良い。木綿にも絹にも良く染まる。…たったひとつ残念なことがあるとするのならば・・・堅牢度が弱い~(^^;
草木染めというのは、自然の色だから儚いものですだとか、自然の恵みの色だとか、水のアートだとか・・・まぁ情緒的に都合の良い説明ができる。自然への畏敬の念を持つことはよいが、でも、それだけでは神がかりだったり偶然ばかりに頼ることになる。
教科書やマニュアルの方法を学んだなら、その先に学べることが自然にある。自分の染め方の基準を自分で定めて、自分と自然との関わり合いを明確にしていく。そこで工夫した先に、少しだけでも必然を見つけられたらいい。
ということで草木染めに興味のある人に、染色データの作成をお薦めしています(^^

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