1990年から2000年のころ、工房では着物の一仕事を終えて休みができると身近な植物を採集し、絹布に試験染めを行っていた。工房の周囲には染まる植物が生えていたから、試してみたら良く染まる色もあって、データを採っておけば使える時が来る?かもしれないと思っていた。
良く染まる植物もあったが、殆ど染まらない草や枝、染まっても洗うと流れる色、臭いが酷かったり湯気で涙が出た草もあった。正直、初めのころは手間がかかるばかりで、仕事に使うのは難しいとも思っていた。
それから20年以上の時が過ぎて、このところ染色データファイルを再確認している。クサギの実のように変退色する色もあるが、中には染めた20年前と殆ど変わらない色もある(^^

アメリカセンダングサ 木綿にも良く染まる色もあった

カワラケツメイ 意外な草が染まっていた

カツラ もう一度、今の方法で染めたい

ズミ 20数年経っても変色や色褪せもない色もある(保存ファイルの中) 当時は試験的に調べていたので染めも媒染も20分、染め時間も20~30分(時々2回染め)という、当時のマニュアル的なものに従っていた。
地域のお婆さんたちと趣味の草木染め教室を続けていたが5年も続けると色あせの問題が現実化し、商品や作品にするのに適した色と適さない色と分けるようになった。
工房で出来る試験として染めた色を半分隠して窓辺において陽を当てて色あせを調べたり、酸やアルカリに通して変色を観察したりしたが、主観だけの説明では他の人や対外的な説得はできなかった。
本業の着物では化学染料で染めた色の耐光堅牢度3級は最低条件で、4級5級が当たり前といわれるようになった。草木染めで耐光堅牢度3級で良いのか?書店に並ぶ草木染めの本を見ても、そんなデータを載せている資料も本も皆無だった。・・・今でも殆ど無いが。
草木染めは仕事に使えない、趣味の教室で行うものだ・・・変退色の現実が、そう語っているように思えた・・・以下次回・・・(^^

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