インドアカネの染め布を工業試験場で調べたところ、木綿の耐光堅牢度は1液染めが3級、2液と3液が3級以上、4液染めが3級の結果だった。5液~8液の耐光堅牢度の試験結果は3級未満。
1の抽出液は見た目は濃いが、染まった木綿布の耐光堅牢度は薄い見た目の2液、3液のほうが良い。つまり抽出された色素成分は1液~4液で多少異なっており、染まった布の色にも耐光試験においても異なった結果が表れている。
石川県工業試験場 耐光堅牢度3級試験結果

絹はs-1液~s-4液は3級以上、s-5液~s-8液は全て3級未満

再掲 綿の染色布
c-1液の綿の染まった色はc-2、c-3、c-4液より薄い、見かけ上は3,4が濃いが
耐光堅牢度はc-1液が3級、c-2液、c-3液が3級以上、c-4液が3級、5液~8液は全て3級未満

こうした現象は、鉄媒染でも銅媒染でも同じで、1液が常に濃く染まるわけではない。
また媒染剤によって発色の変化も異なっている。
ただインドアカネの抽出液は、絹には1~4液を単独でも混合しても染めた色は耐光堅牢度が良い。木綿にも4回目までの抽出液を混合して使っても3級が出る。これを明らかにすることができたのは私にとって大きな意味があって、4液以降はアルミ媒染の染めには使わない理由になった(^^
手間でも1~8液をそれぞれ絹と綿に同じ条件で染めることによって、初めて分かることがあった。・・・こんな面倒なことを常に行いたいわけではない。だけど行わないと分からないのが自然の色だと思う。単純に視覚的な推測では分からないことだ。
私のように理論が分からない人間は、情けないほど愚直に何度でも結果が出るまで行うしかない。おなじ設定で同じ染色結果が何度も出ると、類推は確信へと変わる!そこを基準として進むことができる!(^^ | |