農哲学院@貊meak美深農苑の日誌

2008/12/30(火)22:39

ハウス骨組み組み立て

農苑より(59)

14日の午後からはいよいよハウスを組み立てる作業に入る。 まずは支柱パイプを地面に入れるための穴を50センチほど開けなくてはならない。 最初、長いドリルでやろうとしたが、やはりここは元石河原。 まず間違いなく石にあたってしまい、中々容易にはいかない。 と、そこで仕方がないのでお世話になっている工務店のKさんに相談したところ、 「まかせておけ!」 という心強いお言葉。 一体どんな方法であの石だらけの地面に穴を50センチも開けることができるのかと思っていたら、 突然にユンボが登場。ただし、ユンボのバケツの部分がドリルになっている。 そして、もうものすごい勢いで地面に穴を開けていく。 いつもいつもダイナミックな動きを見せてくれる。 両サイドの支柱パイプを入れる穴を開け終わったら、持ってきた支柱パイプを入れていく。 この時、いつも協力してくれるMさん、そしてIさんも加わって、 総勢5人という豪華なメンバーになった。 皆さんの表情が生き生きとしている。 口では「しょうがないなあ、お前らはなんもできんし。」と言われてしまっているが、 でも楽しんでもらっている様子。 この中にいて僕はどれだけのことができたのか、わからなかったが、 あっという間に時間が過ぎていったことは確かだ。 本当に田舎のおじいちゃん、おじちゃんは元気だ。それでいて器用。 こういう活力をもっともっと活かせていける場があれば、そして、この器用さを次の世代に伝える場があればと思うし、今後農哲学院ではいくらでもそんな場が出てくるだろう。 彼らからはほんとうに謙虚な気持ちで学んで生きたいと思う。 本来ならば、このような文化の伝承というべきものは、当たり前のように受け継がれてきたはずなのに、今はなかなか受け継がれる場がないように思う。 さて、問題が起こった。 それは、開けた穴の位置が真っ直ぐではなかったのだ。 もちろん、穴を開ける位置は、あらかじめ線を張って60センチ間隔で印をつけておいたのだが、例のユンボで穴を開けた際、掘っている途中に石がぶつかると、どうしてもズレてしまうようなのだ。 そこで、Wさんは鉄の杭とハンマーを用意してくださったので、穴の位置を真っ直ぐにするべく穴の修正にとりかかった。 たしかにすべて、この鉄の杭とハンマーで開けていけば、時間は相当かかるが真っ直ぐに穴を開けていくことができるだろう。 「そうじゃない、そうじゃない。」とハンマーのたたき方講習もはさみながら どうにかこうにか、「こんなものではないか。」という位置まで修正することができた。 次は左右の支柱パイプを次々に穴にはめ込んでゆく。そして、一番てっぺんでパイプ同士をジョイントでつなげていく。 一つ一つをとっても、やってみればそんなに難しい作業ではないが、コツがいる。 身体と手の動きが柔軟でないと手間が掛かる。 つまり意識と身体がなるべく一体でないと思うようにいかない。 「百姓やめたら??」なんて罵声を浴びせられながら、それでもそんなことができる百姓にものすごくあこがれるのだ。 今はまだまだ訓練中。 15日以降は、両サイドとてっぺんに横長のパイプを取り付ける作業。 そして高さと幅をそろえていく。 このあたりの作業はKさんの独壇場。 僕はそのあまりもの作業の早さにあっけにとられるばかり。 だいぶ高さも幅もでこぼこしていたので、修正するところがかなりある。 これは、最初の段階で地面を水平にしておく、穴の位置を真っ直ぐにしておく、ということを徹底していれば、かなりの部分が防げたはず。 11月16日午後、どうにかこうにか、骨組みが出来上がった。 もちろん、まだすべてではなく、入口と出口はまだ未完成だ。けれできちんとすえつけることはできた。 とにかく見切り発車的に始まったこのハウス骨組み組み立てであったが、 もし、この一連の作業を知っていたら、「無理かもしれない。」と今年中にやることをあきらめようとしたかもしれない。 とにかく何もわからないけどやってみようと動いた結果、もちろん完全ではないけれど、仕上げることができたのだ。こんなにも素敵な人達も加わってくれ、手伝ってくれるという出来事もあった。 人間、本気になれば見えない力が働くのかもしれない。そして、素敵なプレゼントまでも用意してくれるのだ。 雪という問題が間近に迫っていて、なんとなく片付けて業務終了という流であったけれど、このハウス骨組み組み立て作業をその前に行うことができて本当によかった。きちんとした区切りができたようだ。 一人の力というのは微々たるものだけれど、何人かが集まれば、こうしてできることも多くなる。 当たり前のことかもしれないけれど、そんなことも実感できた。 とにかく行動するということに尽きる。 by Yasu

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