農哲学院@貊meak美深農苑の日誌

2009/01/11(日)22:05

今年度の活動記録3

農苑より(59)

 ~8月23日(土)~ 「低温注意報」 大豆に異変が・・・ 大豆畑の約4分の1くらいの大豆の葉っぱが突然黄色になったのだ。 ひどいものは枯れ始めているものまで・・・。 これはおそらく一昨日、昨日(21、22日)の低温で部分的に霜が降りたのではないかと思われる。 8月下旬に霜が降りるなんてとても信じられない。 あるいはあまりの低温に大豆が耐えられなかったのかもしれない。 なにせ6~7℃まで下がったのだ。 いずれにしても、北海道の寒さに大豆が驚いたということは間違いない。 彼らも内地の福井から海を越えてやってきたのだから。 しかし、枯れている大豆を見ると、小さな大豆が多い。 大きく成長している大豆はどうやら平気そう。 なんだか自然の摂理みたいなものを感じた。 今後は、もうどうあっても実を付けない、つまり子孫を残せないと判断したから 自ら命を絶とうと、もしくは自然が絶たせるようにと導いた、そんな印象を受けた。 今年は大豆の作付けが非常に遅く、収穫するということはほとんど考えずに種まきした。 これは今年からお世話になる大地への挨拶なのだ。 そして、いざ種まきしてみたからこそ、この状況もわかったし、 この新天地に少し近づくことができたと思う。 今週は8月初めに刈った約1反の元田んぼのところに、白菜・ニンニク・ダイコンを植えた。 この白菜は近所の知り合いのおじちゃんの知り合いの方から譲っていただいた苗。 苗があまったとのことなのでいただけることに。約800株。 一度草は刈ってはいたが、植える時は根元ギリギリまで刈ってやる必要があるので もう一度刈る。特に笹わらの場所は一度レーキなどで刈った笹をどかして、切り残しの部分をきれいにもう一度刈ってやるのだ。 ちょうど8月のお盆前後は笹を刈るのに一番良い時期だそうだ。 この時期に冬場の養分を根に溜めようとするので、この時期に笹を刈ると根がだいぶ弱るのだ。 二度刈りが終わったら、ある程度刈った草をどかして(特に笹のところはなるべくきれいに) 白菜を50センチ間隔で植えてゆく。 水を簡単にかけられる場所ならまだ良いのだが、ここはなかなか水をかけられない場所なので、移植後、白菜の周りには枯れ草を厚めに敷いてやる。 これが薄かったりすると、朝露を効率的に得ることができず、乾燥にも弱くなってしまうので、少し手間はかかかるが大切な作業なのだ。 笹の下は根がはってはいるが、非常に肥えた地面。そして乾燥している晴れた日にも少し中を掘ってみると適度な湿り気がある。 おそらく、笹の根がどこからか水分を吸収して、それがこうした地面を作っているように思われる。だから、草を生やさないような畑は非常に危ない。 つまり、水分を吸収してくれる草などの横に野菜を植えれば、適度な水分はそのおこぼれでもれえるのかもしれない。 白菜を植え終わった後はニンニク。 このニンニクは例の名寄の地面で収穫したもの。 だいたい、10~15センチ間隔で白菜の隣に植えてゆく。 そして、それが終わったらダイコンを植えてゆく。 「植えてゆく」という表現を使ったのは、今回種をまくのではなく、 福井から持ってきたダイコンの種をサヤごと植えてゆくからだ。 こぼれ種のダイコンは、サヤごと地面に落ちた後にサヤを破って発芽するはずなので、 このようにサヤごと植える方法は自然な発芽に近い状態なのかもしれない。 そして、これは推測だがサヤ自体に栄養が含まれていたりするのかもしれない、さながら胎児のいるお母さんのように。 中々前代未聞のことをやってはいるが、これで福井の地では無事成長しているという。 たしかにこれがうまくいけば、種取の手間は省けるし、種まきも少しは早くなるだろう。 この1反弱の畑はこうして、16日~21日の5日間程で(日曜除く)作付けは終わった。 そして、週の後半(22~23日)は大豆畑の草刈りをメインに行った。 来週からは、いよいよ知的障害者施設の方々と白菜・ニンニクを植えるのだ。 その為の準備に取り掛かる。 草も刈り方があって、一気に刈ってしまいたくなるが そこはグッと我慢して、畝の片側とか畝間だけとか半分くらいの草は残してやるようにする。 そして、何日か間をあけて、残りの部分を刈ってやるのだ。 一気に刈ってしまうと、環境のあまりの変化に野菜たちが驚くだろうし、虫がつく可能性が高くなる。 現に、大豆畑の5番目の畑の大豆達は、一気に草を刈りすぎてしまったので虫食いが目立っている様子。 色々な草が混ざりあって生えているのが理想なのだ。 今週末は大豆の冷害事件があって、かなりショックだったが、これも一つの良い経験。 大豆が何故そうなるのか、そして何を欲しがっているのかなどをもっともっと知ることができるようになりたい。 それは簡単なようでもあるし、まだまだ時間がかかるようにも思われる。 そして、それが感じられるようになった時、彼らは見事に成長してくれるだろう。 by Yasu  ~8月24日(日)~ 「運動会」 今日は待ちに待った運動会。(ローリーが) ローリーはお祭り好きなので、この日を前々から楽しみにしていたに違いない。 朝、町内の運動場に行ってみると、かなりの人が。 4、500人くらいはいるだろうか、おそらくこの町の人口の1割くらいは来ている感じ。 我が自治会は、しかし参加者は少ないように思われた。 最初、ローリーの金髪かげんにみんな驚いていたが、(この美深町に金髪の外人は一人も住んでいない)ローリーの人柄とものめずらしさに、時が経つにつれてアイドルになっていった。 よく見ると、競技に参加する人は同じ顔ぶれが多い。 昔のように出たくても出られないということはなく、むしろ出たいという人が少ないのだ。 ローリーは飛び入りだったが、3つほどの競技にでることができた。 競技が終わった後は、いつも恒例であろうジンギスカンでの反省会。 多くの町内の人と接することができた。 こういう場があるのはほんとうにありがたいこと。 そして、運動会が行われている中、畑ではローリーの親友ヒロさんがなんと笹刈りをしてくれていた。 今後、農苑の笹刈りは永遠と続く作業。本当に助かりました。 こうして、ポツリポツリとだが、我々のやろうとしていることに興味やら共感を示して集まって下さる人もいる。 おそらく一昔前なら、もっと厳しい現実が待っていたのだろうが、今はあきらかに追い風が吹き始めている。 このままではあかんと思う人も多いのだ。 実際、この町の農業はかなり危険な水域まできているというし、過疎化の勢いも増している。(今、我々が住んでいる場所はかつて小学校であった。そして、一つの独立した自治会として栄えていたが、今は人口減少で自治会自体が存続できず、隣の自治会と合併してしまった。) しかし、皆が団結して協力し合っていけば、必ず道は開かれると確信している。 人の接する機会の多かった今日、そんなことを感じた。 by Yasu

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