2005/11/10(木)09:10
不動産登記法改正![29]/事前通知手続
従来は権利証が紛失などによって提出できない場合には、保証書による手続を行っていました。
保証書とは「このひとはこの不動産の登記名義人に間違いない」という事を、本人以外の第三者の二名から、印鑑証明書付きの書面によって証明してもらうものです。
このような保証書による手続は、今回の改正によって廃止されました。
改正後においては、法務局からの「今回、どこ何処の不動産をBさんに移転する登記を申請していますが、間違いありませんか?」という内容の書面が、当事者本人に郵送される「事前通知手続」として存続することになりました。
そして、これは権利証または、これに代わる登記識別情報を無くしてしまった場合と、識別情報を初めから交付しなかった場合、そして識別情報の失効の手続をした場合にも、「事前通知手続」を行なう必要があります。
このような場合には、まず事前に法務局からの事前通知のために、仮の登記手続をします(受付番号は交付されます)。
その数日後、法務局から登記義務者(登記によって権利を失うひと=売買における売主)宛に本人限定受取郵便による通知が届くのを待ちます。
なお、この場合の通知は自宅には届かず、指定の郵便局へ直接本人が取りに行かなければなりません。
それから、その通知書の指定の欄に実印を押して、通知書を法務局に持参します。
こうして初めて、正式な移転登記手続をする事になります。
ですから、急に売買などの取引をしたいと言って事務所に登記手続を頼まれても、権利証がない、または識別情報が無効の場合にはすぐには登記手続には移れない、という事もあるのです。
(30へ続く)